22年前の今日、あの忘れもしないニューヨーク同時多発テロ(9.11テロ)が発生し、日本人24名を含む約3千人が亡くなった。旅客機が世界貿易センタービルへ突っ込んだあの衝撃的なシーンを、偶々義母の葬儀が行われていた桐ケ谷斎場の待合室で待っている間にテレビで観て、一瞬身の毛がよだった。アメリカ政府は、アルカイダとその指導者ウサマ・ビン・ラディンの仕業と知り、ブッシュ大統領は直ちに、彼らの巣窟であるアフガニスタンを攻撃し、当時のタリバン政権を一掃した。
偶然にもこの半年前テロで崩壊した世界貿易センタービル内に入った。1年半前には、アフガニスタンとパキスタンの国境・カイバル峠近くの集落で、トラックから銃砲類を積み下ろす現場作業を間近に見ていてこの反米テロを何となく予知した。これらの体験は、拙著にも紹介したり、講演などでもお話しているくらい、私自身にとってショッキングな体験だった。今ではテロもさることながら局地戦争が増え、世界各地で憎しみを増加させている。局地戦争の戦争当事国に対して大国が支援しているので、これがゆくゆくは拡大して大戦という事態にならなければ良いがと懸念している。今や欧米の首脳らや、習近平、プーチン、金正恩ら戦争を知らない世代が世界のリーダーになった。彼らは生身で戦争の怖さを知らないだけに、遊び感覚を交えテストのつもりで戦争のボタンを押すことが怖い。何とか戦争から逃れる術はないものだろうか。
さて、WCラグビーで日本の初戦勝利の陰に隠れていたが、台湾で行われていたU-18 WC野球大会で、日本の高校選抜チームが10度目の出場で初めて優勝を飾った。決勝戦の相手・台湾は過去3度の優勝を誇る強豪チームで、予選では日本が一度負けている相手で決勝戦まで7戦全勝だった。一方の日本は6勝2敗だった。試合運が良いというのだろうか、ラッキーだった。日本はこれで3月に開催されたWBCとともに野球で、世界一の栄冠を獲得した。レベルは、先進国アメリカに最早引けを取らなくなった。今NYヤンキースのGMが訪日中であるが、現在アメリカン・リーグで最下位の不振にヤンキース・ファンからのブーイングが厳しく、補強のために優秀な日本選手の品定めにやってきた。パ・リーグの2人の大物投手、佐々木朗希と山本由伸の登板日に観戦した。日本のプロ野球を高校野球レベルと見下していたピート・ローズ世代と比較すると隔世の感がある。
他にも昨日ドイツで日本代表チームが、ドイツ代表と国際親善試合を行い、これを4-1で倒したのには、昔日の感がある。ドイツはかつて雲上の国だった。ドイツにとっても遥か格下の日本に完敗したことが余程ショックだったようで、直ちにドイツは、フリック監督を解任したというからあまりにも早手回しの処置に驚いている。よもやここまで日本サッカーが成長を遂げるとは、昔のファンには想像もつかないことである。この他にもバスケット・ボール、陸上競技、更に16歳の安楽宙斗少年が世界チャンピォンとなったスポーツ・クライミング等々日本選手の活躍ぶりが著しい。
こう言ってはおかしいが、いま日本のスポーツ界には勝利の女神が降臨しているような幻想が湧いてくる。