5842.2023年8月20日(日) 日米韓首脳会談、日本に利はあったか?

 一昨日ワシントンのキャンプ・デービッドで行われた日米韓首脳会談は対中国を想定した話し合いとなり、3か国の安全保障協力のレベルを引き上げ、共通の脅威が生じた場合は3か国で迅速な協議を行うこと、また台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認したこと、更に今後毎年3か国首脳の会談を行うことを取り決めた。これに対して直ちに中国政府は、首脳会談に反発した。共同声明に名指しで中国を批判したことに対して「中国脅威論というデマを拡散させた」と厳しく批判した。3か国の安保連携は、あからさまに反中国的行動だと強弁している。一方で、中国周辺国の間には、対中警戒姿勢が強まっているのも実態である。

 例えば、「クアッド」と呼ばれる日米豪印4か国協定、米英豪の「AUKUS(オーカス)」に準ずる3か国の新たな連携枠組みが出来れば、中国に対する包囲網が一層狭まる。日米韓首脳会談が、いずれこれらと同じような協定になるとすれば、3か国の結束が一層強まり、中国としては穏やかではいられない。

 だが、日本人としてよく考えてみる必要がある。これは日本近海の緊急事態発生に対してアメリカが日本、或いは韓国に対して直ちに緊急支援を行ってくれるものと思いがちであるが、アメリカの真意がよく分からないことである。日本がアメリカに対して、基地を提供し、米軍駐在費を日本が負担するなど便宜を与えている割には、あまりアメリカから日本に対して供与を受けるケースが少ないことである。その他にも、例えば、今朝TBSの「サンデーモーニング」で寺島実郎氏が指摘していたが、現在日中間の懸案のひとつである尖閣諸島の領有権に関して、アメリカ政府は尖閣諸島における日本の領有権を認めていないことである。日本政府がこれについてアメリカに強く要求していないからだろ思えるが、対米日本外交の弱点だろうか。日米韓会談後の日本人のアンケードの結果では、まったく評価していない人が6割弱もいることからも日本国民には見抜かれているにも関わらず、日本政府の弱い対応が見え見えである。日本はアメリカの言いなりになるだけでなく、対等の立場で協定を締結する以上日本の言い分もはっきり主張して受け入れてもらうよう話を進めるべきではないか。いつまでもお人好しでいるわけにはいかない。

 果たして3か国の連携が、クアッドのような効力のある協定になるかどうか、岸田首相は鼎の軽重を問われているとも言える。岸田首相は3か国首脳会談の後に、バイデン大統領と日米首脳会談を行い、「極超音速ミサイル」などを探知しにいく兵器を迎撃出来る新型ミサイルの共同開発を始めることまで合意したそうだが、これは憲法に抵触しないのか、また国会内で議論され承認されたのか、はっきりしない。近年自民党政権には、やみくもに国民には黙って話を進める思い上がった言動が多過ぎるように感じている。国会でもチェックすべきであるし、メディアでももっと厳しく追及して欲しいところである。

 さて、昨日甲子園で高校野球の準々決勝4試合が行われ出場した8校の中に、強豪校が揃った関西と四国地方から1校も進出していなかったのが、意外だった。そして、勝ち残ったベスト4のうち、関東から2校、東北から1校とは、これまでの高校球史を考えると想像も出来ないことである。昨年夏は仙台育英高、今春の選抜は山梨学院高が優勝して高校野球勢力図も大分塗り替えられたようだ。明日の準決勝は、どこが勝ち残るか、そして慶応高校は106年ぶりの優勝旗を手にすることが出来るだろうか、興味津々である。

2023年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com