5832.2023年8月10日(木) 終戦直後から続いたGHQの報道管制

 6日「広島原爆の日」の本ブログに子どものころは原爆投下後の被災地の惨状についてはほとんど知らなかったと書いた。当時は広島、長崎に原爆が投下され、大きな被害を出してそれが終戦へ直結したとの単純な理解だった。小学校5,6年生時の恩師は、ちょうど戦闘中だった朝鮮戦争については随分話してくれたが、原爆の被害などについてはほとんど語ってはくれなかった。気持ちを込めて生徒に何でも話してくれた恩師が、当時広島や長崎の被災者の焼けただれた惨めな姿については話してくれなかった。それが昨夜のNHK「歴史探偵」で分かった。終戦から6年間は連合軍総司令部(GHQ )の報道統制により、被災地の実情についてはメディアの報道に規制があったからだと知った。それ故恩師も実情を知らず、我々小学生には話してくれなかったのだと推察出来た。ありのままの現実を伝えてアメリカに対する非難が高まるのを警戒したGHQの姑息な対日占領政策が、報道の自由、言論の自由を拘束していたのである。「歴史探偵」の中で、アメリカ国内向けのフィルムが紹介されたが、原爆が投下されても屋内へ逃げ込むか、頭から衣類を被り防護するようにと宣伝していて、放射能の危険性なんかまったく伝えない身勝手なフィルムだと知り、アメリカ人の利己的で他国人への思いやりとか、配慮がまったく見られないことに、今更ながら驚き憤慨している。今漸くワシントンにあるスミソニアン博物館内に広島と長崎の原爆被災地の残酷な写真を展示することが決まったが、アメリカは常にロシアや中国の原子力核開発にブレーキをかけることを要求しているが、自らを律して核廃絶の行動の先頭に立って核廃棄をやって欲しいと願う。それが、原爆を世界で唯一使用し、悲惨な惨禍をもたらした当事者としてなすべき責任であると思う。

 昨日のブログに取り上げた麻生太郎・自民党副総裁の中台間の戦争を煽るかのような台北市内での演説に対して、早速中国外務省が「日本の政治家が勝手なことを言い、台湾海峡情勢の緊張を騒ぎ立て、対立をあおった」と批判した。そのうえで日本の政治家が台湾問題についてつべこべ言う資格などないと手厳しいパンチを食らった。出過ぎた行為であるし当然だと思う。しかし、自民党内には麻生発言を言うべきことを言ったと評価する声もあるようで、現状では自民党内の右傾化現象は留まらず、その攻撃的な論陣は極めて危険である。

 さて、先日元テレビ会社政治部長だった知人から、1枚の美術展の招待券を送っていただいたので鑑賞に出かけた。それは「第25回文化人・芸能人の多才な美術展2023」と題する作品展で、銀座の‘TOKYU PLAZA’で開催された。安倍元首相や岸田首相も出品している。その2人の作品を正面から見つめ監視する場所に知人の水彩画が飾ってあった。著名な政治家、芸能人、スポーツ選手ら95名の出品が展示されている。中々興味深い作品が多く、中でも入口に飾られていた、Kazu Hiroが制作した人間の頭と手を優勝カップのような台に載せた作品には度肝を抜かれた。やや大きいが本物の頭と手と全く同じである。パンフレットの表紙にも飾られているが、作者はこれまでアカデミー賞を2度も受賞している芸術家である。多岐に亙る芸術品をもっと多くの人々に見てもらった方が良いと思うほどであり、新聞社の協力を得たらどうかと思っている。来年も鑑賞出来ることを楽しみにしている。

2023年8月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com