5831.2023年8月9日(水) 長崎原爆記念日と低次元の麻生発言・日大首脳陣

 6日の広島原爆の日に続き、今日は世界で2番目の原爆投下78年目を迎えた長崎の原爆記念日である。6日(広島原爆投下)+9日(長崎原爆投下)=15日(終戦)を辿って終戦、否敗戦を迎えた。生憎台風6号が長崎周辺を回遊しているために平和公園内で予定されていた平和祈念式典は、60年ぶりに屋内の「出島メッセ長崎」で行われ、岸田首相をはじめ、各国の要人も出席しないことになった。首相からはビデオ・メッセージが送られてきた。発信力も小さくなり規模も縮小され被爆者にとっては悲しく寂しい1日であろう。

 この原爆投下に合わせて核使用反対の動きがある中で、昨日台湾を訪問した麻生太郎・自民党副総裁が現地で講演し、とんでもない発言をした。台湾有事を念頭に蔡英文総統ら台湾政府の幹部を前に「お金をかけて防衛力を持っているだけではだめで、いざとなったら台湾防衛のために使う」と述べ、「日本、台湾、米国をはじめとした有志国は強い抑止力を機能させる覚悟が求められている。戦う覚悟だ」と強調したというから、この御仁は元々自己制御が利かない政治家であるが、憲法違反を物ともせず、日中平和友好条約すら一顧だにしない勢いである。この発言に対して批判的な声があちこちで上がっている。「戦うのは我々現役世代。勝手なリップサービスは迷惑極まりない。政治家は戦争を防ぐべく存在している」、「本当に迷惑なジジイやね。自分が竹槍持って戦う分には勝手にしろだが、他人を巻き込まないでほしい」など至極当然なコメントである。更に調子に乗る副総裁は、来年1月の台湾総統選に関し、「台湾はきちんとした人を選ばないと、台湾の存在が危なくなる」と当該国の外交について余計な口出しまでした。案の定今夕の朝日「素粒子」に「82歳の麻生氏が『戦う覚悟だ』と。いつの世も戦場に行かぬ人が軽々しく言い募る」と皮肉を込めて取り上げられている。戦争を知らない人は、戦争の怖さというものを臨場感では分らないものだ。だからちょっとでも右へ傾くと好戦的な発言が後から後から飛び出してくる。こういう憲法で最も重要な武器を放棄して戦争をしないと約束した第9条の精神を理解しようともせずに、戦争好きな政治家が国会で活動するのは国民にとって危険であり、不幸であり、不条理であると言える。どうしてこんな知性のない政治家が一時的であったにせよ、首相まで務めることが出来たのだろうか。年齢的にももう引退しても良い時期ではないか。さっさと表舞台から去りなさい!

 さて、昨日日大アメフト部員の大麻及び覚せい剤所持により逮捕された事件に関する記者会見で、出席した日大林真理子理事長、酒井健夫学長、澤田康広副学長らの言動があまりにも稚拙で不評だった。林理事長の2人に対する遠慮がちの発言や、自らが応えるべき質問を副学長に振ったのが目立って、あるジャーナリストは「小説家出身であるにもかかわらず、あまりにも言葉足らずの部分が目立ったのは残念だった」と述べていた。日ごろより肝心なことは耳に入れられていないことが分かる。理事長はお飾りとの声に憤慨していたが、そう見られるのは会見を見てみれば分かる。

 今日になって知ったことだが、澤田副学長は日大法学部を卒業して、かつては検事を務めていたことが分かった。それにしては、大麻らしき物体を見つけても直ぐには警察に届けることをしなかったことなど、検事らしき行動が見られなかったことについて、多くの人々が首を傾げている。この様子では、田中英壽前理事長時代の学園経営から一歩も進歩していない印象を受ける。今度はどんな組織改正と人事の刷新を行うのだろうか。日大の前途は多難である。

2023年8月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com