5818.2023年7月27日(木) 朝鮮戦争に関わって殉職した日本人

 70年前の今日朝鮮戦争休戦協定が結ばれ、戦闘は停止された。北朝鮮では「戦勝記念日」として夜には派手な式典を行い、今年はロシアからショイグ国防相が、中国からも政治局員らが訪れた。しかし、これは「終戦」ではなく、あくまで「休戦」である。いつ再発しないとも限らない。この休戦協定書には、当事国の軍隊である北朝鮮軍、中国人民軍、国連軍が署名しているが、肝心要の韓国軍は署名していない。実は、本戦争中日本にとっても憲法に抵触する違法行為があったのである。これまで表沙汰にはならなかったが、私自身この重大な憲法違反行為があったことを、ネット上の東京新聞「社説」から初めて知った。

 1950年6月北朝鮮軍が、韓国との国境を越えて進軍し開戦の火ぶたが切られた。当時小学6年生でまだ世間知らずの子どもだったが、連日新聞とラジオによって報道される北朝鮮軍と韓国軍の攻防は小学生にとっては興味深く、加えて担任の先生が戦況を地図で示しながらいろいろ教えてくれた。同級生らも挙って韓国の戦場と化した都市名を覚えたものである。強い印象を受けたのは、トルーマン大統領が司令官の勇将マッカーサー元帥を解任し、後任の司令官にリッジウェイ中将を任命したこと、ウォーカー中将の搭乗ヘリコプター墜落による墜死事件、そして一番驚いたのは、劣勢だった韓国軍と国連軍の同盟軍が南端へ押されっ放しの末、乾坤一擲の勝負を賭けて南部から仁川へ電撃的な上陸作戦によって同盟軍は一気に形勢を逆転させ、その後北朝鮮領へ進軍したことだった。
 その当時敗戦で壊滅状態だった日本経済は、この戦争による特需景気により戦後の復興を加速させることが出来た。だが、この裏には日本憲法に抵触するような日本人の戦争行為が度々行われていたのである。日本の奇跡的経済復興は朝鮮戦争の犠牲の結果によるものだと見做したのか、連合国総司令部(GHQ)は、密かに日本政府に対して戦争への支援的協力を要請した。北朝鮮が敷設した機雷除去のため、海上保安庁の掃海艇など54隻の船舶と要員約1,200人を朝鮮半島周辺の海域に派遣した。元山沖合で米軍の大型えい航船が触雷して沈没し、日本人22人が海底に沈んだ事件もあった。他にも米軍の戦車揚陸艦に日本人船員が乗り込み、国連軍兵士とともに朝鮮半島へ物資を運んだ日本人船員の数は、2千数百人に上がるという。この日本の協力行為は戦後制定された平和憲法を蔑ろにするものであり、朝鮮戦争に手を貸していたことになる。

 朝鮮戦時下の掃海作業は戦争に関わることであり、戦争放棄を定めた憲法第9条に抵触するため、当然その活動は極秘下に進められた。実は、その後日本の戦争への関与は、1997年に「日米防衛協力のための指針」改定と99年周辺事態法により、朝鮮半島有事の際、自衛隊はアメリカ軍を後方支援が出来るようになった。いま北朝鮮は度々ミサイルを発射しては、日韓両国を威嚇し、ともに一発触発の不安な状況に追い込まれている。

 現在中国軍の進出により台湾有事の対策が練られているが、韓国と台湾の有事に備えて防衛省はアメリカと密かに話し合い、しかもこれもまた国民を蚊帳の外にしたまま政府は、日米合同国防戦略を練っているだろう。

 朝鮮戦争のように、隣国で戦われた戦闘に日本人が関わったという重大な憲法違反行為に対して、政府、並びに自民党から国民に対して73年間も何らの責任ある説明も行われていない。憲法違反行為を犯し続け、時間の経過を理由に、その責任も一切取らない無責任さと無神経には、危なくてとても国家の統治と運営を任せるわけにはいかない。

2023年7月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com