5817.2023年7月26日(水) ビッグモーターと「そごう・西武」、それぞれの対応

 今日もご多聞に漏れず暑かった。東京都内の最高気温は今年最高の37.7℃だった。意外だったのは沖縄県那覇市の31.3℃で、札幌市内の32.7℃より低く国内で最低だったことである。南の島・沖縄の太陽は強烈だが、島内を吹き抜ける涼しい風が気温を下げているということだろう。これから暑さの最盛期である8月へ向け、各地でどこまで人々を悩ませることだろうか。

 さて、世の中には酷い会社があるものだというのが、最近メディア報道を通しての実感である。中古車販売会社のビッグモーターが、損害保険会社へ保険金を水増し請求して世間から注目を浴びている事件である。単に水増し請求していたという単純なものではなく、物件に傷をつけ損害額を高くして請求していたというから悪質である。不正が乱発され公になったにも関わらず、責任者である社長が記者会見すら開いて責任ある対応をしないことにメディアから非難が集中した。慌てたのか、止むを得ないと感じたのか、昨日になって漸く社長以下役員出席の下に記者会見を開いた。

 社長は書類を読み上げながら一通りの謝罪をしたが、事の経緯について報告書で初めて知ったと述べ、経営陣の関与については否定した。同時に、責任を現場の「車の修理を担当する板金塗装部門が単独で行った」と部下にすべての責任を押し付けた。副社長である社長の長男が、かなり事業に関わっていたとの声がある中で、記者会見にはどういうわけか出席せず、社長ともども昨日を期して職を辞すると発表された。

 事件には、過大な請求をされた損保会社にも責任がある。損壊した車の傷をチェックする責任があるにも関わらず、ビッグモーターの言いなりになっていたり、損保会社がビッグモーターへ社員を派遣していた事実からも道義上責任がなかったとは言い切れまい。

 創業者である社長、及び息子の副社長は経営から退くことになるが、上場企業でもなく大株主である以上、今後も引き続き外から会社経営には口出しすることだろう。

 これから道路運送車両法に基づき国土交通省によって、また保険業法に基づき金融庁からも立ち入り検査が行われるだろう。

 それにしても随分酷い会社があるものだ。

 さて、もう1件今話題になり対応に苦悩している会社がある。これはビッグモーターのような悪質な問題ではないが、池袋駅の西武百貨店を舞台にした会社経営に関する当事者と株主の争いとでもいうべき案件である。池袋駅の西武百貨店を経営する「そごう・西武」の全株式を所有するセブン&イレブンが、昨年11月アメリカの投資ファンド会社にその「そごう・西武」全株式を売却する契約を結んだ。その後その投資ファンド会社が家電量販店の「ヨドバシ」と組んで西武池袋本店をはじめ、他の店舗に大規模出店する計画が進行した。これが、これまでの西武百貨店のイメージとはかけ離れている。これに西武の幹部、従業員が反発、更に豊島区長以下地元豊島区が、長年育てた地元文化の土壌が喪失してしまうと反対した。そこで親会社の西武鉄道にもなかった労働組合が、セブン&イレブン、並びに投資ファンド会社に対して反対の意思表示をするべく約4千人もの組合員がスト権確立の是非を問う投票を実施して94%の賛成を得た。百貨店側が前記2社に対してスト権の行使を辞さないとの強い意思を示したところである。

 これは今後どのような形で決着がつくだろうか。関係会社、それぞれが対応に苦慮しているところである。

2023年7月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com