5816.2023年7月25日(火) 「山びこ学校」の無着成恭氏永眠と維新・馬場代表の暴言

 無着成恭さんが亡くなられた。享年96歳だった。小学校6年生の時に山形県山元村中学校の教え子たちの綴り方集「山びこ学校」が、出版されヒットして大きな話題となった。担任の湯浅和先生が授業で同書を朗読され、生徒たちは山の中の学校風景を想像しながら聞いていたものである。その後母親にねだって買ってもらった記憶がある。無着さんは、お寺の跡取りに生まれながらも山形師範を卒え純粋に子どもたちの教育に情熱を傾けていた。

 想い起こすとあの時代は、国語は「読み方」と「綴り方」の2つの授業があった。「綴り方」では、教師が生徒の手を取って文章の綴り方を教えてくれた。当時小学校では書くことは普遍的だった。それが、今では「綴り方」の授業は姿を消し、作文を学校内で積極的に教えることが少なくなった。加えて教育界でもパソコンで文を綴るようになり、誤字や脱字が頻発してまともな文章を書ける人が少なくなった。そういう点では、無着氏の教育方針は国語教育の原点であったと思う。

 無着氏は教諭を退職されてからラジオ番組などで視聴者の質問などに応えていたようだが、ある番組で司会進行役を務めた時に、ラジオ局が番組を中断した。ラジオ局が無着氏の発言に対して総務省、政府に気兼ねをしたのが原因とされていたが、以降無着氏はラジオに出演することはなくなった。その後は、メディアに登場することもほとんどなく千葉県多古町の福泉寺でひっそり住職を務めていた。、

 教育、特に国語の作文などは最も地味な分野であるが、後世これほど仕事で必要となり、その巧拙が評価の対象となることは他にはあまりない。私自身文章を書き続けながら自由な後半生を送れているのは、前記の小学校恩師の作文指導と、この「山びこ学校」が大いに影響していると思っている。

 さて、最も自らの発言に責任を持たなければならない国会議員の中に、傲慢にもただ相手を中傷、批判することだけを得意げに喋っている横柄な議員がいるのには呆れるばかりである。その人物とは、一昨日ネット番組で居丈高な発言をした日本維新の会の馬場伸幸代表である。平素から思い付きや、不遜な発言が多い馬場代表が、こんなことを述べたのだ。自民党と維新の会の関係について「維新(馬場氏)は第2自民党でいい」、「立憲民主党(馬場氏)がいても日本はよくならない」、「共産党(馬場氏)はなくなったらいい」などと言いたい放題の発言をしていた。[※カッコ内は馬場氏に置き換えてみた]本心からそう思っているとは思えないし、他党をけん制しているだけだと思うが、非常識であり非礼である。党代表者たるものが、第2自民党と言うなら自民党へ合流して、その中で存在感を示せば好い話ではないか。

 直ちに立憲民主党と共産党から反論が出た。泉立憲民主党代表は、党名を「第2自民党」と変えたらいいと言っていたが、共産党の小池書記局長に至っては、維新は自民政治を変えるつもりがなく、「自民党馬場派」だと認めたことになると批判し、「他党の政策について批判する権利はどの党にもある。しかし、存在そのものを否定するのは、民主主義を根本から否定する暴論」と述べ、発言の撤回を求めた。これだけ公に話しておきながら、馬場代表は、個人の見解と言う前提での発言と言い逃れていたが、無責任過ぎやしないか。これでは何を言っても好いと言っているのと同じではないか。元々屋台骨がガタついてIR問題や、大阪万博などでミソをつけている維新は、子どものようなおふざけはもういい加減に止めたらどうか。

2023年7月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com