5804.2023年7月12日(水) 戦争の足音が聞こえてくる岸田首相の言動

 九州地方の記録的大雨により大きな被害が発生し、岸田首相は今日から予定の外国訪問を被害の状況次第と見ていたが、災害の発生が懸念される段階から必要な態勢を構築し、被害状況を把握して地方自治体と緊密に連携するよう指示して、予定通り今朝リトアニアとベルギーへ向け羽田空港を発った。水害対策よりリトアニアの会議出席を優先したのである。バルト3国のひとつ、リトアニアでは、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれ、早速岸田首相は出席した。日本はNATO加盟国でもないのに、なぜ国内の水害を気にしながらも敢えてNATO首脳会議出席に拘ったのか。

 今NATOは、ウクライナへの支援を支障なく続けたい。更に喫緊の課題としてスウェーデンの加盟を容認するのか否かが取り沙汰されている。これまでスウェーデンの加盟に反対の立場を取っていた唯一の国がトルコだった。そのトルコのエルドアン大統領が、昨日加盟を支持すると述べた。ロシアとウィンウィンの関係だったトルコの豹変ぶりに驚いているが、その後にウクライナが加盟を正式に申請すれば、これもトルコは支持するだろう。こうなるとヨーロッパ中に張り巡らされた軍事の安全保障条約は、一層大きな力を持つことになる。その軍事組織の首脳会議に岸田首相が出席しようというのである。しかもNATOはその名の通り北大西洋諸国に限られている。どうもすっきりしないと思っていたところ、NATOは日本に事務所を設置することを計画しているようだ。NATOは軍事同盟である。これについてNATOが地域的にアジアの日本に事務所を設置するのはおかしいと、NATO内部でもマクロン・フランス大統領がクレームを付けているくらいである。

 とにかく最近の岸田首相の戦争のめり込みパフォーマンスは、危なっかしく心配でならない。戦争、或いは戦争関連事象に少しずつ近づいている。昨年末国家安全保障戦略と称する3文書を成立させた。その中には反撃能力と称して敵基地攻撃能力を有することを公約して、また一歩戦争へ踏み出した。先ず、身勝手に防衛予算を大幅に増額した。そして、去る5日には、自民・公明両党の間で防衛装備移転3原則の要件緩和について合意した。殺傷能力のある武器輸出に関し、それを認めようとの考えである。そして今前向きに検討しているのは、前記のNATO東京事務所設置計画である。この様子では、いずれ1967年に公表された「核は保有しない、核は製造もしない、核は持ち込まない」との非核3原則も危ういものである。戦争の怖さを知らない岸田首相以下現自民党首脳陣らは机上で戦争ごっこを楽しんでいるようだが、何せ実戦を臨場感で知らないので、このまま行ったら今にひどい目に遭うことが分かっていない。

 さて、今日は昨日に続き暑かった。このところ九州地方の死傷者を伴った大雨情報が伝えられ、関東でも北部では豪風雨に家屋の屋根が吹き飛ばされたようだ。東京では昨日から蒸し暑い陽気であるが、今日八王子市内では、39.1℃の猛暑日となり、これは全国でも今年最高気温となった。当分の間熱中症が心配である。気を付けよう。

2023年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com