5803.2023年7月11日(火) ケネディ大統領家を扱ったドキュメンタリー

 昨晩NHKで放映された「世紀の映像~バタフライエフェクト」で「JFKをつくった3人のケネディ」と題するドキュメンタリー番組を観て、いろいろな思いと興味を交錯させて楽しむことが出来た。ケネディ大統領を生み、育てた大統領に最も影響を与えた身近な3人を取り上げた番組だった。毀誉褒貶の激しかった富豪の元駐英大使・父ジョセフ、弟で公民権法案成立に貢献した元司法長官ロバート・ケネディ、そして良き伴侶のジャクリーヌ・ケネディを取り上げた実話である。

 ケネディ大統領については、絶頂期にちょうど大学生だったので、その行動力に強い関心を抱き、その言動に随分興味を惹かれたものである。42歳でアメリカ大統領選へ初めて名乗りを上げた行動力とその存在感は、同じく若かった対立候補のニクソン氏との、丁々発止とした激しいテレビ討論でのやりとりは、迫力があり大統領選への関心はいやが上にも盛り上がったものである。それに引き比べて来年の大統領選では、民主党、共和党ともに4年前と同じ顔触れのバイデン大統領とトランプ前大統領の高齢者同士による一騎打ちになる公算が強いが、所詮二番煎じで新鮮さに欠け、年齢的にはともにJFKのほぼ2倍で、若さと新鮮さ、活気、行動力がまるで違う。

 JFKについては、とりわけ黒人への差別、虐待が激しかった時代に人種差別を認めない公民権法案を成立させたこと、キューバ危機を回避したこと、そして悲劇的な暗殺事件が思い出される。特に、ダラスで狙撃された暗殺事件については、1975年6月ルイジアナ州シュリーブポート市で開かれた「アメリカ自然食品協会全米大会」に日本人として唯ひとり参加した折に、帰途ダラス市に立ち寄り大統領を狙撃した犯人オズワルドが潜んでいた教科書会社倉庫を訪れてみた。事件後そこはケネディ暗殺現場記念館のようになり、暗殺の流れを時系列的にマネキンを使ってショー化していたのを見て許しがたいような印象を抱き、強い違和感を覚えたことが後々まで気になっていた。

 キューバ危機もまさに危機一髪だった。下手をしたら第3次世界大戦開戦となったかも知れない。JFKが暗殺されてから今年でもう60年になる。私が大学を終え、社会人になって半年後のことである。

 父親のジョセフを始めとして、ケネディ家には政治家的資質の血縁が流れていた。ジョセフは資金的に面倒を見て、子どもたちを一流大学で学ばせ、弁舌を訓練した。JFKもロバートも名門ハーバード大で学び、ジャクリーヌ夫人はパリ大学で学び夫のためにスペイン語で応援演説を行うなど、日本の世襲政治家とは大分違う。

 日本の政治家には、このようなストーリー性に富み、実績を上げた経歴を持つ人はほとんどいないと言っても好い。アメリカ社会は、日本社会に比べて広く人材を拾い上げ、それを生かす伝統と環境があると思う。ジャクリーヌ夫人にしても学歴もさることながら、家庭も稀にみるほどの資産家だったというから、知と富を国のために効果的に活用したと言えよう。その点では、残念ながら日本では知と富を兼ね備えた人物や家庭が、国のために貢献した例はほとんどないのではないかと思う。

 さて、九州地方の水害被害は少しずつ犠牲者が出ているし、関東地方は今日も暑かった。そんな中で今日も午後6時過ぎにウォーキングに出かけた。いつも通るバス道路に沿って竹藪があるが、その奥から何とホーホケキョと鶯の鳴き声が2度聞こえてきた。猛暑の中で梅の花から聞こえる筈の鶯の声を聴くことになると一瞬暑さを忘れる。真夏にホーホケキョなんて84年の生涯で初めてである。

2023年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com