5799.2023年7月7日(金) 有毒ガス漏出を隠している防衛省の無責任さ

 先月29日北海道蘭越町の山中で、三井石油開発㈱が地熱発電の掘削調査中に突然地下から水蒸気を伴ったガスが噴出した。昨日になって噴出ガスの中に有毒のヒ素が、通常の約1,590倍も含まれていると公表された。近辺の住民に迷惑をかけたことは間違いない。日本は火山国であるため、地下にガスや鉱物が埋蔵されている場合が多く、それが温泉の源泉ともなっている。しかし、前以てそれなりの情報が知らされるなら身を護ることは出来るが、前触れもなく突然地下からガスや熱湯が噴き上げられたのでは防ぎようがない。幸い今回は街中でなかったので被災は免れたが、ガスが噴き出し続けているので、蘭越町は住民に安全対策を周知させるようだ。こんなことが始終発生していたのでは安心して眠ることも出来ない。

 一方で、人工的に有毒ガスらしき化学物質を排出して、周辺に大きな不安と迷惑をかけ意図的に公式に発表しなかった悪質な事件があった。

 今から10年ほど前にアメリカ軍横田基地から発がん性の疑いのあるPFASという泡消火剤の漏出があった。このPFASは、高濃度の場合、人体に有害な可能性があるとされている。それが市街に流れ出ていたのである。実際基地周辺の多摩地域では水道水に使われていた一部の井戸でPFASが検出された。10年前に在日米軍側はその旨を日本側に伝えたようだが、防衛省それを自治体に伝えず、その間の事情についても説明を拒んでいる。

 そもそもこの件については、2018年にイギリス人ジャーナリストがアメリカ政府への情報開示請求で得た文書を基に初めて報道された。東京都はそれ以後先月までの間に4回防衛省に事実関係を問い合わせたが、いつも米軍に確認中との回答だった。当然ながら周辺自治体の立川市長や、武蔵村山市長らは憤慨し、詳細な情報を迅速に提供すべきだと主張している。小池東京都知事も同じ考えのようだが、都知事はいつもながらの煮え切らない言い方である。対応が練られることになるので、詳細を伺いたいと言いながら、記者団から「東京都として基地への立ち入り調査を求めるのか」と質問されると「状況を確認してからになる」と相手次第だと応えるぬるぬるした応え方だ。横田基地周辺の住民は、こんなことが度々あったのでは落ち着いて生活出来ないのではないだろうか。しかも防衛省は、ほぼ10年間も事実を把握していたのに、それを関係自治体の住民に実情を話さなかった。こういう対応で、国の防衛が出来るのだろうか。

 このPFAS漏出は、明らかに人体に害を与えるので、無責任な人為的なミスである。これをそのまま放置する国民を守らない防衛省の無責任さは、許されるものではない。

 さて、今日は七夕であるが、全国的に今年一番の暑さになったところが多い。全国で最高は、新潟県新津市の37℃、東京都内は34.2℃だった。いずれも今年最高だった。気がかりなのは、このところ九州から西日本方面にかけて激しい雨が降り続いていることである。九州では来週後半にも連日降雨があるというから住民の気持ちを考えるとつい同情してしまう。

2023年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com