5785.2023年6月23日(金) 戦後78年、沖縄「慰霊の日」を迎える。

 78年前の今日、沖縄戦は牛島満・第32軍司令官の自決により組織的な戦闘は終わり、8月15日に終戦となった。沖縄では今日戦没者に鎮魂の祈りを捧げる「慰霊の日」を迎えた。正午糸満市摩文仁の丘で、行われた沖縄全戦没者追悼式には、玉城デニー県知事の平和宣言に続き、岸田首相も挨拶された。玉城知事は、平和宣言の中で、戦争で痛めつけられ、戦後は米軍基地に悩まされ、今も日米地位協定は見直されず沖縄県民は苦しんでおり、そのうえ昨年12月に閣議決定された国家安全保障戦略、防衛戦略、及び防衛力整備計画が県民に大きな不安を与えていると近くの席にいた首相の耳に痛い言葉を述べた。この摩文仁の丘・平和祈念公園内の「平和の礎」には、24万人余りの名前が刻銘されている。

 日本国内で戦闘が行われたのは、唯一沖縄だけだった。それも日本の敗戦間近い昭和20年3月に米軍が慶良間諸島に上陸してから、日本は軍民を問わず、米軍に対して戦いながら逃げ惑い、最終的に多くの犠牲者を生む残酷な結果になった。この沖縄戦では、日米合わせて約20万人の人々が亡くなった。県民も戦闘や看護に動員され、4人にひとり、約12万人が犠牲になった。沖縄には、この他に大きな悲しみのストーリーがある。終戦前年の昭和19年8月集団疎開のため学童を乗せていた「対馬丸」がトカラ列島沖合で米潜水艦の魚雷攻撃を受け、沈没し1,484人が海の藻屑となって消えた。このほかにも女子師範学校と第一高女のひめゆり部隊の犠牲者も忘れられない。

 しかし、いつも問題になるのは戦後から引き続き沖縄には、戦争と結びつく危険が存在し続けることである。今も中国の脅威による緊張に対して安易に沖縄に自衛隊配備を計画し、敵基地攻撃能力を持つミサイルの配備が取りざたされている。

 タイミング的に昨日昨年度の一般会計の税収が好調で、初の70兆円が見えたと発表された。正式には7月にならないと確定しないが、それでもこの情報に小躍りしている愚かな防衛族議員がいる。国債発行額が膨張を続けて財政の健全化が叫ばれる中で、税収増加分を防衛費に投入できるチャンスと狙っているのだ。防衛費増額のかなりの%が、沖縄のミサイル設置に投資されることになる。ここでもまだ沖縄と戦争の接点は続くことになるのだ。沖縄県民にとっては最も触れてもらいたくない事象である。

 さて、19日付ブログに取り上げたことだが、大西洋海底に1世紀以上もの間沈没したままになっていた豪華客船タイタニック号の見学に向かった潜水艇「タイタン」の行方が分からず、乗員を含む5人の乗客の安否が心配されていた。そこへ艇内の緊急用酸素の残量が枯渇する昨日になってタイタンの残骸が発見され、同時にアメリカの沿岸警備隊か海中から音を感知したと明らかにした。どうやらタイタンは海中へ潜ってまもなく爆発したようだ。5人の帰還は絶望的のようである。

2023年6月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com