5782.2023年6月20日(火) 天皇・皇后両陛下、旧日本兵の子孫と面会 

 インドネシアご訪問中の天皇・皇后両陛下が昨日ジャカルタ郊外60㎞のボゴール宮殿と、隣接するボゴール植物園を訪れたと知り大変懐かしく想った。ボゴール宮殿は、オランダ統治時代は東インド総督官邸だった。私が訪れたのは1967年のお正月で、その当時ここにはスカルノ大統領とデヴィ夫人が官邸として、また私邸として住んでいた。警戒が厳重だったが、私の目的は東洋一の蓮の花が見られる隣の植物園だった。タクシーを雇っていたので、植物園の外で待ってもらい、ひとりで園内を見学したが、ガイドもいなかったので立派な蓮を見るだけで見学を終えてしまった。天皇・皇后は植物園をジョコ大統領が運転するゴルフカートに乗って見学されていたが、蓮の花についてのメディアの報道は一切なかった。あの蓮は今どうなっているだろうか。治安面でも荒れた様子がなかったボゴールは今も強く印象に残っている。

 ジャカルタ市内のホテルに戻られた両陛下は、昨夜オランダとの独立戦争に加わった残留日本兵の子孫らと面会され、彼らの厳しかった戦後の生活を思い労わられた。彼らの父親は、日本からは脱走兵と見放されて、インドネシアが国籍を認めるまでは無国籍者だった。現地では長い間占領者の子どもと後ろ指をさされ、肩身の狭い思いをしてきた。それだけに、天皇・皇后両陛下が父親たちのことを覚えていてくれたことに感謝の気持ちを表していた。今日両陛下はその独立戦争に加わって命を落とされた彼らの父親ら、旧日本兵が埋葬されているカリバタ英雄墓地で供花された。

 一昨日は父の日だった。偶々2日後の今日は亡父の誕生日である。父は明治41年生まれだったから、今存命なら115歳になる。父も戦時中赤紙招集により、一度は現在の北朝鮮・平壌に駐屯していたこともあったが、幸か不幸か、病に罹り終戦前に除隊となり帰宅することが出来た。21年前に93歳で亡くなるまで母が亡くなった湘南鵠沼の地でひとり静かに生活していた。

 さて、先日も本ブログで取り上げた話だが、大阪府が小中高生に加えて私立高校生にも完全無償化の方針を打ち出したことに対して、大阪府内の私立高校ばかりでなく、近畿2府4県の私学団体で作る近畿私立中学高等学校連合会が、大阪府の素案に対して賛成出来ないとの意見を表明した。この素案に対してほとんどの高校が反対しているようだ。元々これには学校側の負担が大きすぎるとの声があったが、私立校独自の教育がし難くなるという点で難色を示している。大阪府内の私立高校の標準的授業料は、年間60万円だそうだが、現状はそれをオーバーする場合は超えた分を府が負担している。それを今後全額負担しようと計画しているところである。どうして他府県の高校が賛同出来ないのかは、大阪の高校生が他府県の高校に通う例が多いことから、それら他府県の高校に負担がかかって来るということのようだ。実際名門神戸の灘中高校にも大阪府内から多くの生徒が通学しており、同校校長は在学する生徒のうち、大阪の生徒だけに授業料を補助するというのは不公平だと批判している。吉村洋文・大阪府知事は、1校1校の意見を聞き、理解を得られるようにしたいとのん気なことを言っているが、難題を解決することが出来るだろうか。

2023年6月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com