5781.2023年6月19日(月) 失態続きの大手建設会社

 先日世田谷区役所本庁舎建て替え工事が、当初今年7月に第1期工事が終了の予定だったが、何と最長で8か月先延ばしになると公表され、問題視されている。工期完成予定は充分検討されたうえで、施工会社から知らされ、区役所は受け入れて完成後の予定を組んでいたと思う。この不本意な工期遅れの情報を聞いて区役所では唖然としている。ゼネコンと言われる大手建設会社の大成建設が、他社との見積もりを抑えて受注を勝ち取ったものである。工事の遅れによって役所としては業務が遅れるうえに、仮庁舎の賃貸料など想定外の支出が予想される。4月の統一地方選で再選されたばかりの保坂展人区長は、「施工者の説明は信じがたい。損害倍賞についても協議する」とお怒りの様子である。

 そんな困惑の真っ只中に、またもや大成建設の欠陥工事が明らかになった。それは、札幌市内に建設中のプロジェクト・ビルの工事が23%ほど進んで、鉄骨の構造が人目につくようになった。NTT都市開発が手掛ける地下1階、地上26階建て、高さ約116mの超高層ビルで、北海道放送(HBC)が入居し、17階から26階まではハイアット系ホテルが入る予定という。欠陥箇所を見つけたのも自社社員ではなく、NTT都市開発の社員だというから好い加減なチェック体制だったのだろう。このまま工事が進めば、次第にビルは傾斜することになり、皮肉にも札幌市内にピサの斜塔にあやかったビルが建つとの噂があったそうだ。

 どうしてゼネコンとして技術力を高く評価された大手企業の大成建設が、こういう初歩的で悪質なミスを犯すのだろうか。社内では若い課長代理が測定数値を改ざんして虚偽の報告を行っていたことが原因と判明したようだが、会社は他に問題はないと言って1若手社員にすべての責任と罪をかぶせて逃げ切ろうとしている。担当役員は辞任し、社長は減給処分を自らに課して、今期の決算は減益計上しているが、来年度の決算では好決算を想定している。しかし、対外的に会社として責任を取った形にはなっていない。とにかくこれでは建設関係業者としての信用を失うばかりである。外部からは、組織ぐるみの匂いがするだの、怖くて大成建設には発注出来ないとの声が聞こえる。さあ、大成!どうする?

 さて、ミヤンマーで昨年2月の軍部によるクーデターで、身柄を拘束されたまま民主化指導者アウンサンスーチー氏が78歳の誕生日を迎えるが、イギリスに住む息子キム・エアリス氏が、母親をはじめ、すべての政治犯を釈放し、民主的に選ばれた政府に権力を返すよう国軍に求めた。更に、日本で生活した経験のある息子は、民主主義国の日本が国軍を支援しているのは残念だと名指しで日本を非難した。日本はいま国軍政府とは手を切って支援を中止しており、子息の理解には若干誤解があるが、国軍兵士を自衛隊が受け入れ教育を行っていたことや、麻生太郎元首相がミンアウンフライン国軍総司令官から名誉称号と勲章を贈られたことがあり、それらの行為が誤解を生んだ要因かも知れない。

 いまでは世界の目がウクライナに向けられ、暴力的、かつ非民主的に民主派政権を追放したミヤンマーに対する世界の世論は冷めている。現状のままだと国際社会の不信感と不満は募るばかりで、ミヤンマーにはもう安心して生活出来る基盤がなくなってしまう。もう少し世界のメディアもミヤンマー情勢を伝えて欲しいものだ。

2023年6月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com