5780.2023年6月18日(日) 天皇・皇后両陛下、インドネシアを親善訪問

 去る9日にご成婚30周年を迎えられた天皇・皇后両陛下が、昨日親善訪問先としてインドネシアを7日間の予定で訪問された。皇太子時代には、ご夫妻で13回も外国親善訪問をされておられるが、コロナ渦の影響もあり令和に入って即位されてからお揃いで外国親善訪問をされるのは初めてである。

 天皇として最初に親善訪問されるのがインドネシアとは何か象徴的である。戦時中日本軍が3年間も占領、統治し、この間過酷な労働作業によって多くのインドネシア人が亡くなったと言われている。しかし、300年に亘ってインドネシアを植民地化していたオランダに対して、終戦直前から独立運動を支援したのも旧日本兵である。戦後も現地人を支援して旧日本兵は現地に残り、独立戦争で現地人とともに戦い、その過程でその半数が戦死したと伝えられ、インドネシアの独立に貢献した。現地ではそのことは忘れられておらず、首都ジャカルタ郊外のカリバタ英雄墓地には、独立戦争の過程で亡くなったインドネシア人政治家や軍人と並んで、彼ら日本人も埋葬されている。

 上皇ご夫妻は、過去に皇太子時代と天皇即位後の2度インドネシアを訪問され、15年前には秋篠宮ご夫妻も訪問されておられるが、天皇・皇后には初めてのインドネシアご訪問である。

 現在ドキュメント作品を執筆中であるが、その中にもいかにインドネシアの人々が親日的であり、現地では日本の旧軍歌が愛され、唄われているかということを書いている。実際インドネシア独立の父として往時には国民から敬愛されていたスカルノ元大統領が、来日されてテレビに出演され、偶々その番組を観ていた時、元大統領が唐突に♪愛国の花♪を唄った時には、驚いたものである。1967年インドネシアへ初めて出かけ、地元の警察署長さんからボゴール近郊の自宅へ案内された時には、近くの集落の人たちが集まり日本の♪愛国行進曲♪などの戦時歌謡を唄ってくれたのには、びっくりした。駐屯していた旧日本兵と現地の人々の「支配者と被支配者」とは異なる親しい交流関係があったことを想い、一言では片づけられない両国の絆のようなものを感じたものである。

 天皇、皇后両陛下の親善訪問は、日本とインドネシア両国の親善にとって必ずや効果を上げることだろう。

2023年6月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com