5777.2023年6月15日(木) セルビア大使館で友人の出版記念会

 セルビアの友人・山崎洋さんが一時帰国し、今夕セルビア大使館で「山崎洋仕事集・丘を越えて海を越えて」の出版記念イベントが開催された。昨年も同大使館で夫人との共著の出版記念会を開いたが、相変わらず執筆への意欲は旺盛である。本書は600頁を超える大書で価格も税別で4,500円なので手軽に入手出来るものではない。友人から前もって1冊出版社を通して贈っていただいていたが、まだ半分も読んでいない。話を聞いていてやはり読んでおくべきだったとの悔いが残る。これまでに雑誌や新聞などに公表した論文や論説、エッセイなどを整理し1冊にまとめられただけに、主にセルビアの社会的、外交的な優れた文章が揃っていて中々読みごたえがある。同書には、恥ずかしながら私を紹介する記述が、2か所もあり恐縮している。特に1文は、「三田評論」2022年6月号に掲載された文章の転載で、初めて彼と出会った経緯と今日までの交流について書かれている。表紙のレイアウトも画家であるご子息が描いたもので、中々洒落たデザインである。

 いつも通り大学ゼミの友人にも声をかけたが、中には出席したい気持ちはあれども予定が重なって参加出来ないことを悔やんでいた友人もいた。そこで今日はゼミの友人1人と高校時代の友人の3人で出席した。

 イベントでは、山崎さんの執筆に際しての苦労話もあり、続いて彼をよく知るジャーナリスト・岩田昌征氏が書いたユーゴスラヴィアの自主管理社会主義について持論を語っていた。山崎さんと中々格調の高い議論だった。

 午後から雨が降り出したので、イベントが終わってから軽くワインをいただいて大使館を辞した。一緒に参加した友人も山崎さんの著書を買うつもりだったが、大使館内では販売は出来ないということで後日アマゾンから購入するとのことだった。

 さて、今日午後国会では参議院財政金融委員会が開かれ、今国会でも重要法案である防衛費増額に向けた財源確保法案が可決された。もうひとつの重要法案である少子化対策への財源がなく苦慮している時に、再軍備費用はいとも簡単に捻りだせるのには違和感を覚える。立憲民主党のある議員は、「どういう歳出改革を行って財源を確保するのか見通しが立っておらず、財源論としてあまりに無責任。財源確保のための増税についても復興特別所得税のスキームを流用していて悪質である」とまで批判している。

 政府の防衛費増額は単なる増額ではなく、そこにはアメリカへの気配りが見え見えなのだ。1発3億円のトマホークを400発、各種戦闘機6千億円など高額な支出はすべてアメリカから購入し、5年間に43.5兆円を注ぎ込む。これとは別に気になるのは、これだけ大事な防衛費支出が、どうしてもっと与野党間で是非を徹底的に議論しないのか。それはメディアにも言えることだ。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」が、相変わらずまかり通っている。今以て防衛費の膨張予算について鋭い論調を言い続けているのは「赤旗」だけである。日本は益々軍事国家化しつつある。

2023年6月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com