5775.2023年6月13日(火) 国内外著名人の栄枯盛衰

 一昨日元官房長官だった青木幹雄氏が亡くなった。自民党の参議員議員会長を務め自民党のドンと言われた大物議員である。小渕恵三首相の下で官房長官を務め、首相が体調を崩して休まれた間首相代理を務めたこともある。自民党内では古賀誠元幹事長、野中弘務元幹事長と並ぶ陰の実力者だった。享年89歳だった。

 そして昨日海外でも大物政治家が死去された。日本人でもかなりの人がその名を知っていると思われるイタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ元首相である。86歳だった。長い政治家活動の間に4度も首相を務めて政界はもとより、サッカー界、プライバシー面でもその名は轟いていた。建設業者として財を成し、同時に放送会社を経営して政界に進出した。政治家としては名を上げたが、複雑な政界事情により波乱万丈な政治家生活を送った。軽口で物議を醸すことも多々あった。特にオバマ元大統領夫妻に対しては、人種的な差別感を与えるような発言が度々あり、夫人を怒らせたこともある。人格的には一国のリーダーとしては首を傾げる点もあった。イタリアを訪れると絶頂期だった時もあるが、その次に訪れた時には名は知られていたが在野の1議員だったり、浮き沈みの激しい政治家生活を送っていた。晩年になってイタリアを訪れると出迎えてくれたガイドさんに、「ベルルスコーニは元気ですか?」というのが挨拶となったほどである。良きにつけ悪しきにつけ、印象に残っているイタリア人である。これからは彼の噂も聞かれないと思うとちょっと寂しい気もする。

 もう1組、著名なグループについて取り上げてみたい。それはあの「ビートルズ」である。ビートルズについては昨晩NHK「世紀の映像」で、「ビートルズの革命~音楽と言葉で世界を変えた4人の若者の冒険」前編と題するドキュメンタリーとして放映された。10年足らずの活動期間にレコードの総売り上げ数が10億枚という世界最大のヒットメーカーだった彼らの活動を、ビートルズ生誕前後から解散までを追っていた。彼らが異色だったのは、4人が揃ってリヴァプールの労働者階級の家庭に生まれ育ったために、下層階級の気持ちに同情し寄り添っていたことで、それが階級制や人種差別に反対する立場を取らせたことである。ちょうどアメリカでキング牧師が非暴力差別抵抗を指導する公民権運動がピークに達し、ビートルズは彼らに寄り添った。それが世界の保守派の一部にはビートルズに対する反感を買ったようで、アメリカ国内でのコンサートや、日本では右翼団体の激しい反対により宿泊先のホテルから一歩も外へ出られない不条理な対応を余儀なくされた原因ともなった。

 最初のプロデューサーの良き指導もあり、ショーの前後には揃って観衆にお辞儀をし、また背広とネクタイを身に着けるエチケットなど、他のロック・シンガーとは一線を画していた。このようなことは知らなかったが、やはりビートルズには聞く者に感銘を与える実力と所作があったことに私もテレビを通して感銘を受けた。1970年にはグループは解散してしまったが、短い間に大きな花を咲かせた惜しいロック・グループの解散だった。

 偶々ジョン・レノンが銃撃されて亡くなった1980年12月8日には、私自身南仏マルセイユでそのニュースを号外で知り、その驚愕的な記憶は今でも頭の中に残っている。来週もこの後編が放映されるようだ。楽しみに待ちたい。

2023年6月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com