5853.2023年5月23日(火) 日本維新の会の伸展と裏の顔

 このところ日本維新の会が国選、地方選を問わず選挙の度ごとに勝利を収め、反面自民党がやや精彩を失っている。一昨日投票が行われた東京足立区議選(定数45)では、自民党は17議席から12議席へ議席を減らし、13議席の公明党に第1党の座を譲る結果となった。

 3月に行われた大阪府議選では、大阪を地盤とする日本維新の会が圧倒的な勝利を収めた。全政党が議席数を減らす中で、定数79の内過半数を超える55議席を占め、ここでも自民党を16議席から半減以下の7議席にして2位から3位に突き落とした。今や大阪ばかりではなく、全国各地に維新旋風が吹き荒れている。そのとばっちりを受けた自民党が苦境に喘いでいる。自民大阪府連は、知事選、市長選の自民党候補者が大差で落選し、府議会で9議席、市議会で3議席を失い、府連、府議団、市議団の各幹事長も轡を並べて落選する完敗ぶりだった。だが、懸念していた思い上がったような一面が露出し始めた。梅村みずほ参院議員がスリランカ人の入管施設内での死亡について非常識にもハンストの影響の可能性があると述べ、非難を浴び、維新は処分を課した。また、府議団代表がパワハラの件で代表を辞した。

 こういう中で自民党は何とかして維新のご機嫌を取ろうとあれこれ画策しているが、その最たるものが、4月に政府が大阪の人工島「夢洲」への誘致を目指すカジノの統合型リゾート(IR)の整備計画を認めたことである。これは維新が当初から乗り気で計画、実施に積極的だった。このカジノについてはかねてより住民の間で反対論が強く、住民投票を求める声が上がっていた。昨年6月には市民団体が住民投票条例制定を求める署名21万筆を集め大阪府内の選挙管理委員会に提出した。
 しかし、よく考えてみると大阪府民、及び市民が選んだ議員がカジノに賛成したのである。カジノを作ろうとしているのは、他ならぬ彼ら住民自身ということになる。そのカジノについては不動産鑑定評価についても不正があると取り沙汰されている。その他にも大阪都民構想についても府議会が提案した案について住民投票では1度否決されたにも拘らず、再び提案して府議会は再起を図るべく勝てるタイミングを狙っている。

 どうしてこうも議会の意見、方針と住民の考えの間に選挙では同意、しかし、その政策については反対というギャップが生まれるのだろうか。一時的な熱気とか、雰囲気に吞まれる習性、或いは付和雷同する住民気質というようなことがあるのではないか。厳しく言うなら大阪府民は社会的に大人として独り立ちしていない印象を受ける。ただ、これは大阪だけの問題だろうか。

 さて、G7広島サミットが閉幕となるや直ちに帰国したアメリカのバイデン大統領が、早速共和党のマッカーシー下院議長と債務上限の引き上げを巡って3度目の直接協議を行った。結果的に話はまとまってはいない。大統領の主張としては、国債の発行が上限に達したので引き上げないと債務不履行、つまりデフォルトに陥る恐れがあると主張している。大統領は1兆㌦以上の支出削減を提案した。最悪のケースでは、6月1日にデフォルトに陥るという。今後も引き続き、大統領と下院議長の話し合いは行われるようだが、さあ世界経済にも大きな影響を与えるこの結末は果たしてどうなるだろうか。

2023年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com