G7広島サミットは今日2日目を迎えたが、昨日の開催日に合わせて中国も西安で中央アジア5か国首脳会議を開いた。G7広島サミット開催にタイミングを合わせたのは、それなりの狙いがある。G7サミットで国際法違反の海洋進出や、台湾問題について中国はアメリカを中心にG7から厳しく糾弾されるだろう。
中国が5か国首脳会議に招待した5か国とは、元々旧ソ連の連邦だったカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンである。これらの国々はロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアに同調するどころか、むしろ距離を置きつつある。そこへ中国が約5,100億円の経済支援や治安維持・テロ対策の支援などを提供して5か国とロシアの隙間を突いているようだ。中国はロシアに対してもロシアの現状に対して必ずしも全面的に同意、支持ではないと暗黙に伝えている感じである。その巧妙な立ち回りは中々したたかである。
G7広島サミットでは、7か国の首脳による会議で中国の海洋進出とロシアの侵攻を批判することが主な目的であり、その政治的な影響は世界的にもG7サミットに招待国として広島を訪れているG7以外の首脳の行動にも意外な場面があった。その中で温もりを感じたのは、尹錫悦・韓国大統領が広島市内で在日韓国人の原爆被爆者20人と面会したことである。歴代日本の首相や韓国大統領が、韓国人被爆者にこれまで直接会ったうえで謝罪したという話は聞いたことがなかった。原爆投下の責任は韓国にあるわけではない。しかし、尹錫悦・韓国大統領は偶々広島を訪れたこの機会に被爆者同胞に謝罪し彼らを慰めたのである。尹大統領は、従来の韓国大統領とは言動面、とりわけ日韓関係に取り組む姿勢が大分違う。安直に気持ちに寄り添うという言葉が使われがちだが、尹大統領は真から国民の気持ちに寄り添っているという印象を受ける。この機会に日韓首脳はともに市内の慰霊碑を参拝するという。これまで韓国と戦時中の韓国人というと、どうしても解決のメドが立たない従軍慰安婦問題が思い出されるが、このようにひっそりと被災者に国の代表者が寄り添うようなことが静かに行われることは、地味ながらも基本的に大切なことであると思う。これも広島G7サミット効果と言っても良いのではないだろうか。
一方で、午後になってウクライナのゼレンスキー大統領が鳴り物入りで広島空港へ到着した。当初はオンラインで参加すると伝えられていたが、発信力の強さを意識して敢えて自ら望んで直接参加することになったようだ。明日のG7サミットに出席する。昨日ウクライナに関するG7首脳による話し合いの内容が発表されたばかりである。それは最初から予想されていたように、ロシアによる侵攻を最も強い言葉で非難すると同時に、完全かつ無条件の撤退を要求し、制裁を強化するためにロシアの輸出を制限するという厳しいものである。更にウクライナには、必要とされる限り財政的、人道的、軍事的及び外交的支援を提供すると表明した。
さて、今日6回目のコロナ防止用ワクチン接種を受けた。前回と同じ旧二子玉川仮設庁舎で受診したが、かなり空いていた。予定より早く会場へ着いたが、順に接種をしてくれたので、案外早く終えることが出来た。第5類になってコロナ感染者の感染状況の厚労省の公表方法が変わったが、この数日感染者数はやや増えているという。このまま行ったらまた警報が発せられ大変なことになる。第1回の接種はちょうど2年前の今月末だった。これでもう7度目ということはないと思いたい。