5845.2023年5月15日(月) 5.15事件は近年なぜ報道されないのか?

 51年前の今日沖縄が日本に復帰した。大きなニュースとして全国的に報じられている。サッカーJリーグがスタートしたのも30年前の今日である。その一方で戦前の今日発生した大事件だった5.15事件については、メディアは例年通り一言の報道もしない。事件は世界恐慌の中で社会に不安が横溢し軍国化が進みつつあった1932年の今日発生したものである。海軍青年将校らが時の首相犬養毅を襲い殺害するという前代未聞の事件を、暴力否定の見地から、また保守政治の一つの転換点を迎えた事件としても当然報道して、国民に反右翼化志向をアピールする良い機会である。さもなくば、右翼的暴力志向が強まり、その挙句に時の首相を暗殺したことが、現在防衛費を増やし、右翼化傾向の自民党政権にとっては、この事件がクローズアップされることは好ましくないとの考えがあるのだろうか。それ故政府が何らかの方法でメディアが事件を取り上げないよう工作しているのではないかとつい勘繰りたくなる。

 事の是非はともかく、あれだけ大きな事件で、歴史の教科書でも教える事件について一言の報道もないというのは、メディアの怠慢ではないかと思う。

 さて、昨日トルコとタイで国のトップを決める選挙が行われた。トルコでは大統領選で20年間国を率いてきたエルドアン大統領と野党の統一候補クルチダルオール氏ほかの争いとなり、今日時点でいずれも全員過半数には届かず、来る28日に両氏の決選投票が行われる見通しである。戦前の支持率予想では、エルドアン大統領が45.4%、クルチダルオール氏50.9%と現職がやや不利だったが、開票の結果途中経過では大統領49.36%、クルチダルオール氏45%と予想を覆しているようだ。トルコは今経済停滞による物価の上昇が激しく、与党がやや不利であるが、そこへ2月の大地震の対応の稚拙さが批判を浴びて20年間の長期政権を維持してきた大統領も鼎の軽重を問われている。

 タイの選挙は、中々複雑で分かり難い。2014年に軍事クーデターにより政権の座に就いた軍出身のプラユット首相に対して、挑むのはタクシン元首相の娘ペートンタン氏である。4つの政党がそれぞれ候補者を擁立し、上下両院の合計750人の過半数を得た候補者が首相に推薦される。複雑なのは、前回2019年の選挙で最も多くの票を獲得したのは、タクシン派だった。過半数に達しなかったので、プラウィット派が他の中小政党と組んで連立政権を作った。

 問題は、下院500名、上院250名の議員が選出されるが、上院は軍が任命する形になり、全般的に元陸軍司令官のプラユット氏が有利である。

 いずれも親日的な国で、タイに至っては進出している日系企業が5800社もあり、19年にタイを訪れた日本人観光客は約180万人で、日本を訪れたタイ人観光客は130万人といわれるほど日本とタイの交流関係は深い。

 両国には、何度か訪れて印象的な思い出が多い。トルコでは20世紀最後のイズミット大地震に遭い、その惨状に次に大地震が襲ったら大惨事になるだろうと懸念していたが、去る2月の大地震でその恐れは現実となった。タイは1966年最初に訪れた外国であり、新婚旅行でも家族旅行でも訪れ、楽しい思い出がたくさんある。

 トルコの選挙では年長とは言え新人のクルチダルオール氏、タイでは同じく新人のペートンタン氏の動向に注目している。

2023年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com