5832.2023年5月2日(火) 野球人気盛り返しのためルール改定 

 WBC優勝以来、メジャーリーガー大谷翔平選手の活躍がアメリカでも目立っている。日本でもプロ野球の人気が陰に隠れてしまったほどだ。アメリカのMLBの試合が連日NHK・BSで放映されるようになって大谷選手以外の日本選手の活躍もTV画面で観られるようになった。アジア及び太平洋諸島コミュニティを支援する非営利団体「ゴールド・ハウス」が選ぶ2023年同地域を代表する人物リスト100人の1位に、昨日2年連続で大谷翔平選手を選出したと発表した。その団体の権威がどれほどのものか不明だが、それでも大谷選手の活躍が各方面で高く評価されているひとつの証拠であろう。大谷人気も大したものだと思う。

 ところが、野球の本場であるアメリカでは野球人気は近年今ひとつ盛り上がりに欠けるようだ。一番人気のあるスポーツは、アメリカン・フットボール(NFL)、次いでバスケット・ボール(NBA)、3番目が大リーグ(MLB)で、4大スポーツの4番目がアイスホッケー(NHL)である。野球とそれら3大スポーツを比較してみると、野球はプレイする時間と競技場の面積が統一されていないことが他のスポーツとは異なる。例えば、3つのスポーツは、試合時間が決められているが、野球は終了時間が決まっていない。更に競技場の広さは、3つのスポーツはそれぞれ同じようにきまっているが、野球場だけが異なる。各グランドによってホームベースから外野席の塀までの距離がマチマチで、更に塀の高さもバラバラで、仮にホームから外野の塀までの距離が同じであっても塀の高さが異なるため、ホームランになったり、外野手に捕球されたりする。運不運がある。こんなスポーツはあまりない。

 大リーグが、人気の盛り返しを図って、今シーズンから試合中に無駄をカットして時間の短縮を考えルールを一部改正した。ゲーム中に投手がボールを持ったまま何もせずにプレート上に漠然と立っている無駄な時間や、バッターが中々打席に入らないことに制限を加えようとして採用したルールが、投球間隔の時間制限をした「ピッチクロック」と言われるルールで、投手にとっても、打者にとってもぼんやりとしていられない厳しいルールである。他にも極端な変形守備体制、例えば1・2塁間に3人の内野手が守備することを禁じた。大リーグの試合時間が、このルール適用によってかなり短くなった。昨シーズンのMLB平均試合時間が3時間3分だったのに引き比べて、今年は4月30日までの試合の平均時間が2時間36分というから30分ほど短縮されたことになる。初めは慣れないだろうが、いずれ慣れてくれば、試合の緊張感も高まり、人気も取り戻すことが出来るようになるだろう。MLBの生き残りを賭けた実験であると思う。

 それに比べて日本のプロ野球界はこれから検討するというが、どうも感度が鈍いようだ。社会人の日本野球連盟では、今年から「スピードアップ特別規定」として、このピッチクロックの導入を決めた。何事もそうだが、ルールさえ整備すれば良いというものではないが、これをきっかけにもっと洗練された野球を見せなくては元も子もない。日本プロ野球機構もどうしたら、もっとファンに喜んでもらえるゲームを出来るかを真剣に考えるべきであろう。

2023年5月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com