5705.2023年4月4日(火) WBC日本戦テレビ視聴率、すべて40%超

 一昨日本ブログに取り上げたお役人の天下りの張本人が辞職すると、今朝の朝日新聞がトップ記事で伝えている。国土交通省から「空港施設」へ天下り、自ら副社長就任を強引に主張して希望通りその要職に就いた元航空局長を、元事務次官から東京メトロへ天下った同社会長が来る6月の役員改選で副社長から社長に昇格させるようグルになって「空港施設」へ圧力をかけた一件である。副社長はポストを要求したことを認め、責任を取らざるを得ず辞意を表明した。本事件はこれで一応落着となるであろう。しかし、業務上省庁と許認可権がからんだ民間企業には、不本意ながら天下りを認めざるを得ない屈折した空気があり、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の類で、いずれまた同じような不祥事は繰り返されることだろう。

 問題は、国家公務員法では省庁による再就職のあっせんや現役職員による利害関係企業への地位の要求などが禁じられているが、元職員による圧力がらみのあっせんを縛るルールがないということである。元職でも退職後しばらくの間はまだ影響力があるので、せめて公的年金が支給される65歳までは、このルールを適用すべきではないかと思う。

 さて、もう少し明るい話題を取り上げよう。先日大盛況の内に終わったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の興奮が未だに冷めやらず、出場した日本人メジャーリーガーがメジャー・リークの開幕戦でも引き続き活躍し、メディアで大きく取り上げられている。

 実は、WBCのテレビ中継全7試合の視聴率は、多くのテレビ番組の中でも軒並みトップを占めたが、予選リーグ全4試合と決勝トーナメント3試合の視聴率は何とすべて40%台だった。とりわけ準々決勝のイタリア戦の視聴率は48%台で計算上ほぼ国民の半分がテレビ観戦したことになる。オリンピックやサッカー・ワールドカップに比べて、野球はCMを画面に流しやすいスポーツであるとも言える。それは、前者が試合開始から終了まで連続的にプレイが続けられるスポーツで、CMを差し挟む機会が少ないことである。それに比べて野球は、イニング終了ごとにCMを流すことが出来る。その点で野球には、中継放送との相性の良さがあるとあるスポーツ・ジャーナリストは語っている。

 ただ、この高視聴率には厳しい問題もあるようだ。それは、近年オリンピックや、サッカー・ワールドカップでテレビ放映権料が高騰しつつあり、WBCでも今後放映権元は高額の放映権料を要求してくることが考えられる。問題は、放映権料が上がったらスポンサーが必ずしもそれに見合ったCM料を支払えるわけではなく、テレビ局としては放映自体は赤字になる可能性がある。それでも多数の視聴者が自社の放映番組を観てくれるメリットと、今後の放映権獲得を考えると権利を手に入れて放映せざるを得ないようだ。

 そもそも最近のプロ・スポーツ界は、観客が支払う入場料で得る収入より、テレビやラジオから得る放映権料の方が遥かに多い。今回のWBCもアメリカ大リーグ機構のMLBが大分本腰を入れて運営に携わったこともあり、今後放映権料は一層高くなることだろう。最悪のケースとしてテレビ放映されないことも考えられる。野球ファンとしてはそうならないことを祈るだけである。

2023年4月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com