5699.2023年3月29日(水) 過去最大の来年度一般会計予算決定

 昨日過去最大の新年度予算が参議院本会議で可決、成立した。その金額たるや実に114兆3千億円余である。過去最大はこれで11年連続となった。中でも防衛費の増額が大きい。前年度より1兆4,214億円も増え、6兆8,219億円である。私が大学経済学部の学生になった1959年度の一般会計予算が全体で1兆4,192億円だったから、来年度の防衛費増額分だけでそれより更に多いということになる。一時は財源不足分をあまりにも国債に頼り過ぎ、将来に負債を積み残すと問題視され、財政健全化を目指す動きもあったが、それも昨今ではほとんど聞かれなくなった。それどころか、来年度国債費は25兆2千億円で前年に比較して3.7%も増えている。国債残高は増えるばかりで、この借金は直接的には、無責任な現国会議員には恐らく負担となることはないだろう。後世の人々が借金を背負うことになるのだ。財政健全化に視点を向けず、防衛費の大幅な増額に賛同する。まったく国家の将来、国民の意思や、希望とは噛み合わない。それでも最近の岸田首相は、やや支持率が好転したのを好機と捉え、自身の点数稼ぎに出来ることは何でもやってやろうと強引な政策実行が目につく。外交面でのパフォーマンスも得点を稼いでいるようだ。日韓両国の間で最大の懸案となっていた徴用工問題について、韓国側が解決策を示し、尹錫悦大統領が来日して首脳会談を行ったことや、ウクライナを電撃訪問しゼレンスキー大統領と初めて会談したことなどが評価されている。この自民党に吹いている風を巧みに利用して4月の統一地方選挙を勝利につなげようという腹積もりのようだ。政治家というのは、皆同じような腹の内である。

 さて、コロナ渦も少し明るい兆しが見え、観光ブームも多少回復に向かいつつある傾向の中で、昨日京都の鳴り物観光名物のひとつである保津川下りで舟が転覆して船頭ひとりが亡くなり、もう1人の船頭が行方不明となった。幸い子ども3人を含む乗船客25人は全員無事だった。一度はこの保津川下りを楽しんでみたいと思ってはいたが、今日までそのチャンスはなかった。実は、在学していた京都市立上桂中学校(現桂中学校)の傍をトラックが舟を乗せて走っていく光景を度々校舎から見ていた。これは保津川下りに使用される舟だったのである。この船は、嵐山渡月橋近くで乗船客を下ろしてから学校の傍を通り、再び亀岡市の出発地点へトラックで回送されていたのだ。父親が船頭だった同級生もいた。卒業を前にした3年生だったが、舟が畑の中をトラックに乗せられていくシーンが妙に心に残っていた。いつかは自分も乗ってやろうと思っていたが、昨日飛んでもない事故を起こしてしまった。それでも昨年4月に利尻島遊覧船が粗雑な扱いと対応で乗客、及び船員26名が全員死亡、及び行方不明になった海難事故に比べれば、川が増水していたために通常3人の船頭を4人に増やして安全面を心掛けた効果は多少あった。不幸にして操作を誤ったためにひとりの船頭が川へ落ちて舟がバランスを失い転覆したようだが、それでも乗船客25人全員に救命用具を身に着けさせた安全対策が最悪の事態を免れさせる結果になった。

 3年前に京都を訪れ、自宅と中学校周辺を懐かしく思い出そうと妻とこの周辺から嵐山へ行ってみようと計画したが、コロナ渦で旅行を取り止めた。近いうちにまた訪れてみようと考えているが、懐かしく思い出すことが多い。ほぼ70年ぶりの京都の旧自宅環境であるが、何とか出かけてみたいと思っている。それにしてもえらい事故が起きたものだ。

2023年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com