5785.2023年3月16日(木) 社会に出てから60年、退職してから20年

 いまから60年前の1963年の今日、社会人としてスタートした。まだ大学の卒業式を1週間後に控えていたが、新たな気持ちで入社式に臨んだ。その日入社式会場である経堂の教習所傍を小田急新型ロマンスカー(NSE)が警笛用メロディーを鳴らしながら通過して行った。その日からNSEは運行を始めたと聞いたが、その斬新なデザインが人気を呼んだ。この日から40年間小田急に勤務して、社会人として悲喜こもごもいろいろな経験をさせてもらった。

 いただいた初任給は普通の学卒者の平均額18,000円だったが、6月に新年度の昇給があり19,600円に上がった。いま世間では、年中行事である春闘による労使の交渉が行われているが、物価の高騰のせいもあり多くの企業が賃上げに応じている。因みに三井住友銀行の今年度の学卒者の初任給が、昨年度より5万円も上がり255,000円になったという。我々の初任給に比べて14倍余に上がったことになる。

 それに比較すると最初に勤務した町田駅(当時は新原町田駅)から新宿まで片道90円だった運賃が、いまは370円であり4倍ほどで、物価に比べればそれほど値上げされてはいない。基幹産業である鉄道運賃は比較的低めに抑えられている。いまでは鉄道会社もコロナ渦による乗客減少で経営が厳しくなったが、それまでは日銭が入り、それも利用者前払いで確実に入金されるので経営的には割合楽で、監督官庁の国土交通省も運賃値上げを中々認めようとはしなかった。経営が安定した鉄道会社で旅行会社の立ち上げに関わり40年間務めることが出来た。そして退職したその日から今日までちょうど20年が経過した。長かったが、短かったような気もする60年である。この60年間一時的に落ち込んだ時期もあったが、大筋ではひたすら前を向いて歩いてきたつもりである。憧れだった海外にも度々出かけることが出来て、多くの人と知り合い、臨場感で多くのことを学んだ。残りの人生はそう長くはないと思うが、改めて身体が続く限り前向きに進んでいきたいと思っている。

 今日韓国の尹錫悦大統領が来日した。韓国大統領が訪日したのは、実に12年ぶりである。最悪の日韓関係を両国ともに打開したいと考えていたが、一向にその動きは見えなかった。それが、良好な日韓関係を回復させたいとの思いが強い尹大統領が、行き詰まった元徴用工問題の賠償支払いを日本企業に科した韓国大法院の判断について、韓国政府の下にある財団が原告に支払う解決策を発表した。韓国サイドが掘った穴を埋め戻した印象である。それはともかくこれに岸田政権は応える形で、日本が半導体などの製造に必要な品目について対韓輸出規制の解除を決定した。これに韓国もただちに日本の輸出規制措置に対する世界貿易機関(WTO)への提訴を取り下げることを決めた。幸先はまずまずである。

 そして午後岸田首相・尹大統領の首脳会談によっていくつかの懸案事項について前向きに話し合われた。日韓間には、慰安婦問題、領土問題などいくつかの未解決の問題が残されている。これまでにも両国政府間で協定を結んでも韓国が一方的に蔑ろにする国際問題を起こしている。その点をじっくり話し合って2度と同じ失態を繰り返さないでもらいたい。今朝も北朝鮮が日本海にミサイルを発射した。北朝鮮は日韓両国の足元を見ている。日韓両国が正常な外交関係を結ぶようになれば、北朝鮮もおいそれとは邪魔だてすることは出来まい。

2023年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com