昨日までの快晴をよそに今日は午前中から雨が降り出し、庭の木々を見るとついに満開だった白梅もほとんど花びらが落ちてしまった。今年は鶯の鳴き声を聞くことは出来なかった。やはり住宅地域である拙宅の周辺でも緑がなくなっている。近所でも庭付きの大きな住宅が取り壊されて、その跡地へ2~3戸建ての庭なし家屋が新築され、緑がなくなり寂しく思っているが、土地の価格も値上がりしている現状を考えるとそれもやむを得ないのだろう。だが、それによって野鳥も飛んで来なくなった。鳴き声も聞かれないし、餌を啄む愛らしい姿も影を潜めた。我が家でも鶯が2度ばかり、シジュウガラが2度、後はヤマガラのような野鳥がやってきた程度で、詩情をそそるようなほのぼのとした光景は見られなかった。この様子だと来年以降もあまり期待出来そうもない。
今日から新型コロナウィルス感染対策として求められていたマスク着用が、屋内外を問わず個人の判断に委ねられるようになった。早速国会では岸田首相以下閣僚らは皆マスクを外していた。三越本店玄関脇に鎮座しているライオン像も今日マスクを取り外された。
さて、去る5日から中国で開かれていた中国人民代表大会(全人代)は、今日幕を閉じた。国家主席として3期目に入った習近平国家主席の演説には、格別目新しいことはなかった。昨年の中国共産党大会で、中国共産党総書記に就任した習近平氏は、今日国家のリーダーとして異例の第3期目に入り、これからは国家、党、軍の3つを統率、支配することになる。演説の中で習主席は、「今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を全面的に建設する」と述べ、またもや「社会主義」と強調したが、中国は決して社会主義国家ではない。リーダーが社会主義という言葉自体が分かっていない。従ってこれからどういう方向へ向かって国を導いていくのか見当がつかない。
もうひとつ習主席の言葉で気になるのは、「安全は発展の基盤だ。国防と軍の現代化を推進し、国の主権と安全、発展の利益を守る鋼の長城にしなければならない」と述べ、更に台湾問題に触れて主権を守ると強調した。アメリカを意識して「外部勢力の干渉と独立の分裂活動に断固反対し、祖国統一のプロセスを揺るぎなく推進する」とも述べた。
そもそも中国が台湾を自国領土の一部と称して、近い将来において台湾を吸収併合し、台湾は元々中国領であると国際社会へ向けて宣言する心づもりのようだが、台湾は民族的には中国人と見られている台湾人が、刻苦奮励努力の末、中国の手を借りずに自分たちの力だけで今日の台湾を独自に築き上げてきた。つまり大小2つの中国が、それぞれ独自に国を作り上げてきたものであり、中国が台湾を国土の一部と称するのは越権行為であり、台湾人の誇りと努力を蔑ろにするものである。お互いの国民の合意により1つの国家を創建しようと考えるならともかく、中国が力任せに台湾を併合しょうというのは、天に向かって唾を吐くようなものである。台湾は今や途上ではなく大きく経済発展を遂げている。とても中国が自国領土などと身勝手な暴言を吐けるような国土ではないことを、中国は思い知るべしである。