5781.2023年3月12日(日) 全人代で習近平専制君主制が益々強化

 中国でいま開かれている全国人民代表大会(全人代)で、一昨日李強氏が李克強氏に替わって首相に選任されたが、これは習近平主席の指名によるものであり、習氏の強い意向を反映したものである。李強首相は浙江省で習氏がトップの書記に就いていた当時の秘書で、爾来習主席との関係が続き、今日最高指導部でも習氏に次ぐ序列2位にまでのし上がっていた。昨日は李首相に次ぐ筆頭副首相に序列6位の丁薛詳氏を起用した。丁氏も習氏の信頼が厚く、「側近中の側近」と言われている。これにより習近平主席の独裁体制は一層強固になり、国民の声は指導部に届きにくくなり、「社会主義国家中国」を声高に叫びながらも、社会主義の思想、体制とはまったく逆で、反社会主義国家・覇権国家ともいうべき得体の知れない国家体制を構築しつつある。

 実はいま話題になりつつある「チャットGPT」が中国では使えなくなるだろうと悲観的な見方がある。それは、中国のIT技術が高いレベルにありながら、共産党を批判するようなインターネット上の書き込みは検閲されて直ちに削除される。そのため「チャットGPT」のような機能が、中国の高いネット環境で実現できるのか疑問視する見方がある。その前兆として2017年に対話サービスが停止された前例がある。それは「中国共産党万歳」という呼びかけに対して、「あんなに腐敗して無能なのに何が中国共産党万歳だ」と回答した場面が出回り、それが停止されたのである。

 全人代の会場を見てみれば何かおかしいと首を傾げる人が多いと思う。3千人もの選民を一堂に会して、習主席が指導する共産党幹部が習主席にまったく反対意見を述べることがなく、すべて言うがままの1党独裁体制と言う以上に1人独裁体制が民主的である筈がない。この反対を許さず、すべて習国家主席の言いなりがとてもいつまでも続くとは思えない。外国人ジャーナリストの声はもちろん、中国人ジャーナリストはこの現状をどう思っているのだろうか。そして天安門事件の時は、表に出てきた若い学生世代はこの息が詰まるような専守政治を見てどう感じているのだろうか。

 幸い中国の科学技術は世界でも最高水準にあるが、国家の仕組み、国民の思想教育面では遥かに遅れている。もう少し毅然として国家、国民を未来永劫に発展させていくイデオロギーを浸透させて欲しいものだと思う。

 さて、WBC予選1回戦で今日日本はオーストラリアを破り、4戦4勝でグループ1位となり、準々決勝進出が決まった。期待の大谷翔平選手は3ランホームランを放って見事期待に応えた。

2023年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com