5671.2023年3月1日(水) NPO公開講座で講師を務める。

 弥生3月を迎えた今日NPO「シニア大楽」の公開講座で講師を務めた。長いこと講師として登録はしているが、講師を務めるのは、コロナ渦の影響もあり他のNPOで講演した2019年1月以来で、実に久しぶりである。陽気も朝から暖かく都内では最高20℃を超えたそうだ。外套をまとわず会場の飯田橋へ出かけた。受講者はNPO会員で70名ほどだった。講演は3人の講師が順番に務めたが、私は最後に壇上に上がった。私の後でアトラクションとして落語家が一席語った。2人の講師は、「笑いと健康」とか、「夫と妻のコミュニケーション」と言った身近ではあるが、ソフトなテーマについて述べられた。それに引き換え、私のテーマはパワー・ポイントを映しながら「臨場感で知る世界の動き」と題し、副題として「どうして9.11テロを予知できたのか?」を挙げた。やや世界的な現象を取り上げて話す話題も幅広いものになり、受講者にとってはややスケールが大き過ぎるかもしれない。しかし、壇上から見ていると珍しい話題を取り上げたので、皆さん終始興味深そうに耳を傾けてくれた。熱心に聴いてもらえたと思う。出来栄えとしてもまずまずだったのではないかと思っている。割合身勝手に言いたいことは言うことが出来た。当分次の予定がないので、これからは気ままに文章を綴ることに励みたいと考えている。

 講演を終えた後で随分気分的にすっきりしたことがあった。飯田橋のビルを出て地下鉄南北線飯田橋駅へ向かったのだが、どうも標識が分かりづらく方向が分からなくなってしまった。ビルの外でベンチに座っていた学生風の若者に道を尋ねたところ、分かり難いと思いますので、ご案内しましょうと入口が分かる場所まで連れて行ってくれた。時間的にゆとりがあったのかもしれないが、久しぶりに親切な好青年に出逢うことが出来た。こんなナイスガイはあまり見られなくなったが、今でもいるのだなぁとお礼の言葉を言い、すっかり気分を良くして帰宅することになった。

 さて、少子高齢化が言われ出してからかなり時間が経つが、その傾向は収まる気配がない。昨年日本国内で生まれた子どもの数は、79万9千人となり、統計のある1899年以降で初めて80万人を割ったと新聞では大騒ぎである。100万人を割ったのは2015年であるが、それから僅か7年しか経っていないのに2割も減少した。少子化で懸念されるのは、特に社会保障制度である。加藤勝信・厚生労働相は「経済と社会の基盤が大きく揺らいでくる危機」と述べた。特に、将来の年金と介護の不足が心配されている。

 翻って我々が中高生のころは、我々昭和13年寅年生まれは、前後の学年に比べて比較的数が少ないので、将来に亘って彼らに比べて競争は楽だと言われたことがある。実際にはそんなことはあり得ようがない。特に私なんて大学入学に2年も浪人生活を送ったので、そういう有利性はなかったと思う。昭和13年生まれは、全国で193万人だったというから昨今の誕生数に比べてかなり多かった。今になって、特にコロナ渦のせいもあり、出生数の減少が気遣われているが、国ももう少し早く、長いスパンで少子化問題を察知し備えることが出来なかったのだろうか。いつも目の前の問題を見過ごして、後になって慌てるというのが日本の政治家の大きな欠点である。今日講師として強調した「臨場感」ということを別の意味で知らず、また感じ取っていない。今の政治家の行動原理で、これからの日本は大丈夫だろうか、気がかりである。

2023年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com