5666.2023年2月24日(金) ロシアのウクライナ侵攻から1年

 5日前に我が家の白梅がちらほら開花し始めたが、今日起きて外を見ると大分花が開いている様子を見て、漸く春がやってきたのだと実感させられる。

 今日の朝日朝刊都内版に自由が丘にバンクシーが出現?と出ていた。あのどこからともなく忽然と現れ壁に特異な絵を描いて立ち去る謎の覆面芸術家が描いたと思わせる絵が、自由が丘駅前の創業100年の書店の横壁に描かれているというのである。ちょうど銀行に所用があったので、書店へ寄ってみると壁の前に三々五々人が集まり写真を撮っていた。雲に乗った子どもが持つ釣りざおの先にハートが結ばれている図柄であるが、これはバンクシーではなく、日本人グラフィティ・アーチストに明日、明後日と開かれる自由が丘猫祭りのPRに書店店主が依頼して描いてもらったものだという。

 こうしたユーモラスな試みは、心を和ませるので、コロナ渦や、物価高騰、防衛費倍増、ウクライナ戦争などの嫌なニュースが溢れる中でホッと一息つくことが出来る。このバンクシー的画像はいつまでこのままにしておくのだろうか。

 さて、思い出すだけでも憂鬱になるロシア軍のウクライナ侵略が始まってから、今日でちょうどまる1年である。ウクライナ、ロシア双方にはそれぞれ言い分と強いこだわりがあるだろう。今日の新聞には、侵略が始まった原因や経緯、ロシアの狙い、欧米各国の支援態勢、避難民の行方、等々について多くのスペースが割かれている。

 昨日国連総会では、ロシア軍に無条件撤退を要求し、ウクライナの永続的な平和の必要性を強調する決議案を141か国の賛成で採択した。決議案は日本、アメリカなど50か国以上が共同提案国となったものだ。反対票を投じたのは、当事国のロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、マリ、ニカラグア、シリアの7か国だった。中国は、インドなど32か国は棄権票を投じた。残念なことにこの決議には、法的拘束力はないが、それでもロシアが国際社会の中で孤立している印象をアピールするには効果的だと思う。

 しかし、どう見てもロシアの殺人者的傍若無人ぶりの侵略に、これほどロシアへの支持国があるのが理解出来ない。それはロシア国内におけるプーチン大統領の支持率にも似たように首を傾げるところがある。昨年の侵攻開始以来多少下がったようだが、プーチン大統領支持率は、今ではほぼ80%前後を維持している。とても素直には受け取れない。プーチンの身勝手で自己本位の言動が正確に国民に伝えられていないからでもあると思う。偶々今朝の「天声人語」に「自由のない社会では、為政者の言動に沈黙で応じるばかりか、称賛の拍手を送らねば身の危うい時もある」と書かれていたが、今のロシアとロシア国民を象徴している。

 両国の死者も増え続けているが、ウクライナの発表したロシア軍の死者数は14万4千人、イギリスが発表した数は4~6万人で、ロシアが公表した死者は6千人である。ロシアが過少に公表していることは明らかである。

 日本にもこんな話もある。ウクライナ避難民を日本も受け入れていて、スポーツ選手に合宿の機会を提供している。1例として、新体操のウクライナ選手に対して群馬県高崎市がその機会を供与している。そこへ敢えて渡辺守成・国際体操連盟会長が訪れ、ウクライナ新体操選手と話をした時、彼女らからロシア選手とは同じカーペットの上では試合をしたくないと言うことを聞かされた。これに対して、心の痛みは理解出来るし共有すると話した後に、スポーツは友情と連帯、そして平和を求め続けるべきで、憎しみは新たな憎しみを生むだけだと話したところ、自分に向けるまなざしが希望から落胆、そして憎悪に変わっていくのが分かり辛かったと渡辺会長が語っていたそうである。それほど戦争の傷跡は若い選手の心の中にまで突き刺さっていると感じたようだ。

 戦争はやってはいけないし、絶対阻止すべきである。この単純なことが分からなくなるのが、戦争に向かっていく人たちの心の混乱なのだ。岸田首相も戦争を知らない世代で、防衛費を増額して、敵基地攻撃能力を備えるなど戯けたことを実行しようとしているが、いつの間にか戦争にのめり込んでいるのではないかととても気がかりである。

2023年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com