5663.2023年2月21日(火) 日本遺族会長の旭日大綬章受賞祝賀会に出席

 いま岸田政権は、防衛費をアメリカの要望を聞いてアメリカ製兵器を購入しつつ、GDPの2%という大軍拡を実施しようとしている。5年間で43兆円を防衛費に投入する腹積もりのようだ。年々人口が減少し、今では岸田政権にとって少子化対策が重点政策の最大の課題となった。ところが、子どもを育てている家庭にとって一番の負担である教育費への公的支出2.8%は、対GDP比で経済開発協力機構(OECD)37か国中36位と言う過少ぶりである。あまりにも低次元な少子化対策であり、こんな施策を重点政策と見ているようだが、防衛費拡大、教育費削減で人口を増やし将来の課題を解決していけるのだろうか。

 地味ではあるが、もうひとつ国内には大きな問題がある。酪農の危機と言われ酪農家を苦しめている問題である。ご多聞に漏れず、酪農家にとっても肥料、飼料が2年前に比べて5割も値上がりしているという厳しい現実がある。酪農振興のために政府は機会あるごとにこれまで乳牛を増やすことを奨励してきた。1980年ごろは、農林水産関係予算は3.7兆円、防衛費は2.5兆円だった。それが2023年度予算では、農業予算は2.3兆円に減少している一方で、防衛予算は6.8兆円と逆転している。欧米では、生産コストが上昇した場合、コストと乳価の差額を国が補填しており、アメリカではほぼ9割を補填しているという。それが、日本では苦しいなら乳牛を処分すれば、補助金を支給するという農業の振興とは逆の施策を持ち出している。政府は数年前に乳牛を増やせと要求したにも拘らず、今では生乳の需給調整を口実に乳牛1頭処分に対して20万円を支給して、全国で4万頭を処分するよう要請している。これでは年間四季昼夜を問わず乳牛の世話を焼いて一朝一夕にできる仕事ではない酪農は堪ったものではない。現岸田政権には、農業、特に酪農業に精通している政治家がいない。酪農がいかに長い期間に亘って努力を続けなければならないのかが分かっていない。私自身亡父がずっと乳業会社に勤めていて、常に牛乳が健康に良いかということを散々聞かされていた。それだけに酪農業の発展について強い関心を抱いてきた。物価の高低によって簡単に乳牛の需給を調整するなんて安易な発想が生まれてくるようでは、日本の酪農の将来も危ういものである。

 現状では、政府は酪農に発展的、かつ安定的な保障を行うことに後ろ向きである。酪農家の苦労が分かるような気がする。酪農こそ国が景気に左右されない堅実な百年の計を立てるべきである。

 さて、旅行会社に在籍していた当時、旧厚生省太平洋戦没者遺骨収集事業に約20年間に亘って深く関わっていたが、その時日本遺族会担当者だった水落敏栄さんとは毎年一緒にサイパン島に渡っていた。その水落さんが、元参議院議員、現日本遺族会会長として昨秋最高の栄誉である旭日大綬章を受賞された祝賀会が、今夕九段会館で開かれた。元同僚とともにお祝いに駆け付けた。水落会長とは懐かしい昔話もして再会できたことを大変喜んでいただいたが、とにかく出席された参加者の顔ぶれにはびっくり仰天だった。発起人が、橋本聖子元東京オリンピック組織委員会会長で、冒頭の祝賀挨拶が林芳正外相、その後に大物大臣が延々と小1時間も続いた。加藤厚労相、西村経産相、谷国家公安委員長、高市国務相、参議院議長、古賀元自民党幹事長、らが続いた。そして、途中で岸田首相まで駆けつけてくれた。首相のご挨拶を耳にするのは、今月3日にミクロネシア大使館新築移転披露レセプション以来2度目である。これだけ大物が集まるパーティなんて滅多にあるものではない。

 他に出席された衆参議員の紹介があったが、会長の人脈には流石と驚いた次第である。衆参国会議員だけでも50人近くもおられたのではないかと思う。水落会長もご満悦の様子だったが、高校卒業後就職され、その後日本遺族会に奉職され、長年戦没者ご遺族のために誠心誠意尽くされておられた。ここまで上り詰められたのは、会長の努力であり、実力だったと思う。こういう人の知遇を得られたというのは、望外の幸せである。政治家が多いレセプションではあったが、心楽しくなるパーティだった。これも水落会長のお人柄であろう。

2023年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com