5662.2023年2月20日(月) ロシアは経済制裁に苦しんでいない。

 一昨日に次いで今朝もまた北朝鮮がミサイルを連続して3発も打ち上げたとNHKが発表した。ところが、韓国軍合同本部では2発の短距離弾道ミサイルが発射されたと発表した。それはともかく昨日米韓空軍が合同訓練を行ったことと、日米合同訓練に対する反抗的仕打ちのようだ。どうも北朝鮮の行動は子どもじみている。傲慢な金与正・朝鮮労働党副部長は、「太平洋を我々の射撃場として活用する頻度は、米軍の行動の性格にかかっている」と述べ、今後もミサイルを太平洋に向けて撃つ可能性を示唆した。このように太平洋が自分たちの庭であるかのような発言をしたが、目の前の日本の領土や領海を無視し、国際海域を自国領海と考えているような考えでは、当分発射は止めないだろう。国内に貧しい人々が数多くいるのに、国費の無駄遣いであるミサイルをいつまで打ち上げようというのだろうか。愚かな人たちである。

 日本政府は国連安保理事会に対して、直ちに緊急会合の招集を要請し、早々に会議が開かれるようだ。

 さて、ロシア軍のウクライナ侵略が激しさを加えて、支援するNATO加盟国の中でもそのやり方に温度差が生まれているようだ。今後戦いが長引けば、NATO内部での対立にも発展しかねない。一方当事国のロシア国内では、多くの世界各国から経済制裁を受け、いずれロシアも経済的に立ち行かないことになり、音を上げると見られていた。実際欧米企業はロシアから事業を撤収し、彼らの製品はロシアでは見られなくなった。ところが、実態はそうでもないようだ。国際通貨基金(IMF)は、ロシア経済の見通しの上方修正を重ねている。昨年12月時点のロシアの失業率は3.7%で、フランスの半分だという。モスクワ市内では、戦争の暗い空気はまったく感じられず、商店街は賑わっており、販売を禁止した筈のドイツ製ポルシェや、iPhoneのような外国製ブランド商品も店頭に並んでいるという。

 「脱ロシア」を模索した欧米は、ロシア産原油に制裁を課して対ロ貿易を大幅に減らすことが出来た。だが、実際には制裁に加わらない国が多い。中国やインドはむしろこの隙を突いて貿易を大幅に伸ばした。この他に立ち回りの上手いトルコのように、21年と22年の11月分だけを比較しただけでも、ロシアからの輸入を55%も伸ばし、輸出も86%増やした。こういう火事場ドロボーのような国が存在する限りは、話し合いだけで取り決めても思惑通りには行かないものだ。

 鈴木一人・東大教授が、「太平洋戦争で日本は経済制裁を科されながらも、1941年から43年まではそれほど窮乏感がなかった。資源があるロシアはもっと対応力があり、1,2年の制裁で影響は出ない」と語ったようだが、制裁を科した当時はこのような発言をすることはなかった。そう考えるなら、その時に言えよと言ってやりたい。これは学者のご都合主義感覚ではないだろうか。

2023年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com