グラフィック・デザイナーであり織物と染色専門の芸術家である、市川学園中の同級生Kさんの奥さんが銀座で開いた和織展示会の案内をKさんからいただき、今日会場でKさんと落ち合い他の関係者らともいろいろ話をして、この分野の奥深い文化を知ったところである。銀座の一等地の会場で、このように地味な展示会、販売促進会を開いてペイできるのだろうかとお節介な心配をしていたが、結構商売になるようだ。
夫婦はそれぞれ別の美大出身ではあるが、2人はそこで知識と技術を磨いた。一品が158万円もするような作品をはじめ高級織物ばかりで、普通には折角作った製品を販売するのは難しいのではないかと考えるのだが、これが結構さばけるというから、日本では和服への愛着が根強いのだろうと推察する。その後Kさんにご馳走になったレストランで、いろいろ美大の一般大学との相違を聞いた。とにかく学生数が少ないこともあるが、卒業後美大では同窓会とか、クラス会のような同じ釜の飯を食った仲間と会う機会がないということは意外だった。数少ない仲間と卒業後会うこともないというのは、学生生活の楽しい思い出を消し去ってしまうのではないかと懸念するが、それが美大の実態だと言っていた。
夫婦揃って芸術方面で活躍していることは羨ましいことであり、今後一層の活躍を祈っている。
さて、プロ野球もキャンプに入り1か月後にはシーズン開幕となるが、今年はその前に世界野球選手権(WBC)が開催され、日本代表チーム(侍ジャパン)は過去最強チームを編成して優勝を狙っている。昨年ワールドカップで盛り上がったサッカーも今年30周年を迎えるJリーグが開幕した。春到来とともにスポーツ・シーズンも花盛りである。
日本ではバスケットボールは、世界のレベルからやや取り残されて、割合地味なスポーツではあるが、一昨年女子代表チームが東京オリンピックで銀メダルを獲得したこともあり、少しずつ人気も上がってきた。日曜日には天皇杯全日本バスケットボール選手権決勝戦が行われる。その本場アメリカのNBAで日本人の八村塁選手が活躍しているが、今シーズン途中にウィザースから名門ロサンゼルス・レーカーズに移籍した。バスケにはあまり関心はないが、レーカーズというチームと、そこに所属していたNBA歴代最多得点記録を持っていたジャバ―選手にはかなり以前から興味を持っていた。それは、1977年10月に文部省教員海外使節団にお供してオクラホマ・シティに滞在した折に、ジャバ―選手が活躍したレーカーズの試合を観て、同じホテルに宿泊していたジャバ―選手に廊下で出会い声をかけ、その数年後にレーカーズが来日した際には、地下鉄新宿駅で電車に乗ろうとしたところ、長身のジャバ―選手が頭を下げて降りてきてばったり出会った奇遇に少々縁を感じていた。そのジャバ―選手が活躍していたレーカーズに、八村選手が移籍して活躍しているとは嬉しい限りである。近年日本選手が海外の本場で活躍する姿が少しずつ増えているが、絶対的にアメリカ選手の独壇場だったバスケの世界で日本選手が活躍するとは、誇らしいことだと思うとともに、随分世界のスポーツ界も変わったものだと思う。