今日「13日金曜日」というのは、古来キリスト教国では厄日として歓迎されない1日であると承知していた。
ところが、意外にも今では欧米でもこの日十字架にかけられたイエス・キリストが処刑された日とされたストーリーは俗説らしい。イエス・キリストが処刑された正確な日付については、聖書や歴史的な資料にも明確な形での記録は一切残されておらず、正確なことは不明なままになって俗説が独り歩きをしているというのが、真相のようである。況や仏教徒が主の日本人には、この日が厄日と言われてもあまりピンとこない。
現実に「厄日」に明るいトピックを取り上げてみよう。今日外国為替市場で円高が進み昨日に比べて3%近くも円の価値が上がった。一時1$が140円台にまで値下がりした当時は、円安がどんどん進み日本経済の前途に暗い影が漂い日本中に暗いムードが流れた。それが今日午後3時過ぎには1$が128円台にまで値上がりした。その原因として考えられるのは、アメリカの消費者物価の動きである。昨年からアメリカ国内では物価が高騰して一向に収まらず、共和党議員の中にはアメリカ政府は、ウクライナへ支援するより国内の物価高騰を抑える施策を講じるべきだとの声が出たくらいである。物価の高騰を抑止するためアメリカの連邦準備理事会(FRB)は、度々利上げを行った。だが、それでも物価上昇の勢いを止めることが出来ず、金利の上昇は他の国の金利に比べて大きな差が出来てしまった。
昨日アメリカ労働省が公表した昨年12月の消費者物価指数は前年同月比で上昇したとは言え、伸びはかなり鈍化した。これにより市場では、FRBが利上げのペースを緩和させるとの見方が強まっている。イギリスでは、アメリカの利上げは2月で打ち止めとなり、0.5%の利下げへ進むだろうとの観測もある。
アメリカの金融緩和により、円安の最大要因が徐々に解消され、日本もかつてのように安定した1$=110円前後に戻る日が来るのではないかと期待される。円高水準に戻ることにより輸入品が安くなり、とりわけ今物価高騰の原因となっている原油価格が多少値を戻し、ウクライナ戦争の最中ではあるが、日本経済も多少安定するのではないかと期待される。こんなことを考えていると、今日13日金曜日は厄日ではなく、むしろ吉日ではないかと思えてくる。
個人的に厄日的な現象として、今懸命に取り組んでいる2022年確定申告のアナログ式による書類作成で、今日は偶々昨年4月分の貸方と借り方に入出金項目を仕分けしていたが、どういう取りこぼしがあったのか、どう計算をやり直しても貸し借り勘定が合わない。いくつかミスを発見したが、夕方になり漸く貸借が合致し、何とか4月分の締めを行ったていたらくである。これは俗説の根拠となったキリストを裏切ったユダのせいかなと奇想天外な幻想に捉われている始末である。私にとっては、俗説通りやはり厄日と言える1日だったと言えるのかも知れない。