5721.2023年1月11日(水)  ハリー王子の暴露本が早々にベストセラー

 1冊の出版書が発売と同時にこれだけ世界中を騒がせたのは、前代未聞ではないだろうか。かねてより出版の前評判があったイギリスのハリー王子(ヘンリー王子とも呼ばれるが、HARRYをなぜヘンリーと呼ぶのだろうか)が、イギリス王室の内情、王室内のスキャンダルなどを「スペア(SPARE)=予備」と題してドキュメンタリーを出版し、世界へ公開したのである。契約金も約60億円というからすごい。発売早々購読者が書店へ殺到して、発売初日で40万部を売り上げる過去にもないほどのベストセラーとなってしまった。410頁の書であるが、アフガニスタンで従軍中に25人も殺害したことを臆面もなく書いているようだが、ほぼ全編に亘ってイギリス王室批判を貫いているようだ。メーガン妃は女王の国葬にはイギリスへ帰らぬようチャールズ国王から釘を刺されたとか、ウィリアム王子に暴力を振るわれたような兄弟げんかを暴露したり、権威ある王室の一員としては少し嗜みが足りないようだ。ハリー王子は、アフリカ系のメーガン妃と結婚を決断したころから、王室の態度が排他的になったと漏らしていたが、ここまで王室の恥を晒すような行動に出たとなると恐らく「覆水盆に返らず」となってしまうのではないだろうか。

 王子にとってはもちろん、王室にとっても、またイギリス国民にとっても残念な結果であり、また許しがたい行動と受け取られるだろう。数年前には結婚前のハリー王子の人気は国民の81%と高かったが、今や26%にまで下がってしまった。母国イギリスを去り、アメリカで生活していることもあり、このままではよほど優れた仲介者が現れない限り、王子がイギリス国民の懐へ戻ることは難しいのではないかと思う。タイムズ紙は、「傷ついた王子。怒りと挑発、愚かさについての悲しい物語」とにべもない。挙句に有害、悪趣味などと酷評している。

 例え日本語訳が出版されても私はあまり読む気は起きない。むしろ昨晩NHK「クローズアップ現代」で珍しく沢木耕太郎と彼の著作が紹介されたが、彼の25年間の執念を傾けた新作「天路の旅人」で取り上げた戦前満州、内蒙古、チベットを8年間も彷徨った西川一三の生涯を追ったドキュメントの方がよほど面白そうだ。

 さて、昨日韓国の最大野党「共に民主党」代表・李在明氏が検察に出頭した。これまでにも韓国では大物政治家が退任後に逮捕されたり、追放されたり、あまり納得のいく晩年を送っていない例がいくつもある。李氏は昨年公職違反容疑で在宅起訴されたが、国会議員であるため不逮捕特権が認められている。だが、プロ・サッカーチームに絡む収賄疑惑でも捜査されている。李氏は2027年の次期大統領選の有力な候補者と見られており、これが民事事件にでも引っかかればその芽は摘み取られる。

 どうして韓国の大統領は、不祥事に巻き込まれるのだろうか。大体家族も絡んだ収賄事件が多いようだ。初代大統領の李承晩にしても4選を企み不正行為がばれるとハワイへ国外逃亡した。朴正熙のように夫妻揃って別々に暗殺された例もある。廬武鉉大統領のように投身自殺した人物もいる。現職を除く過去12人の大統領の内、実に10人の大統領経験者が自らの不徳により不幸な末路を迎えているのである。或いは、大統領へ最短距離にある李在明氏にも過去の大統領と同じ道を歩むことになるのだろうか。

2023年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com