新型コロナウィルスの感染も今年4年目に入った。当初はほんの束の間の流行ぐらいにしか考えておらず、いずれ収まるだろう程度にしか考えていなかった。それが勢いは未だに衰える兆しがなく、国内ではやや行動が自由になったせいもあり感染拡大が続き、今日も四国、九州を中心に5県で新規感染者数は過去最多を記録した。それでも日本では漸く海外旅行者も少しずつ元へ戻り増えつつあるようで出入国に関して厳しい制約は緩和された。ところが、昨今の中国では感染拡大は、驚くほどの勢いである。ゼロ・コロナ政策を取っていた中国が、昨年12月にそれを解除した。それに伴い中国人が海外旅行へ出かける状況が整った。しかし、日本をはじめ欧米などが中国人の入国に対して厳しい措置を取り始めた。中国政府のコロナ解除の対応に懸念を抱いたのだ。欧米では、ドイツ、ポーランドを除くほとんどの国々が中国人の入国に規制を始めた。実は、中国各地では政府の緩和策とは裏腹に感染が蔓延し、その比率は50~80%に達していると言われ、中国の専門家によると北京の感染率は80%を超えたとの見方を示したほどである。
ところが、諸外国の厳しい中国人への入国規制に対して、中国外務省の毛寧副報道局長は、コロナ対策として各国が中国からの入国者に対する規制を強化したのは政治的な動きだと非難し、対抗措置を取る方針だと強調した。自らの過ちを反省せず、相手の対応だけを一方的に非難する、中国の常套手段である。
実は中国が主となって世界保健機関(WHO)や権威ある医学大学の真実を伝えるべき数値に私的な思惑で、事実を偽っていたことが分かった。しかし、これは私自身もアメリカの医学的権威のあるジョンズ・ホプキンス大学の統計資料が、毎朝新聞紙上に掲載され、しばらくそれをメモして毎日数字を眺めていて気づいたことがある。時間が経つにつれどうも数字がおかしいと気づき始めた。各国の統計数字は毎日着実に積まれて計上されているにも拘わらず、中国の数字だけは感染者数が毎日20名程度で、ほとんど増えず、その一方で死者がまったく出なかったことである。特に2021年7月初めから死者数はゼロが続き、漸く新たな死者が1人計上されたのは、翌年2月だった。8か月間も死者が出なかったのである。アメリカや、ブラジルでは連日何万人かの感染者を生み、死者の数も連日何千人、何万人の時世にあって中国の公表数字だけはあまりにも現実離れした作為的なものであると見ていた。
そして昨年末を以て新聞紙上では、ジョンズ・ホプキンス大学のコロナ感染者数・死者数世界統計表は、掲載を中止されてしまった。理由は、各国の統計には必ずしも正しい数字が報告されていないということだった。その主犯は「各国」ではなく「中国」である。
その中国は前記の副報道局長が、「中国だけを対象に入国規制を実施するのは科学的ではない」「対等の原則に基づき、相応の措置を取る」とナンセンスな反論をしたが、こういうケースに「科学的でない」とか、「対等」などと筋違いの表現をすること自体、混乱して先が見えなくなっている証拠ではないか。
中国は、それでもコロナが爆発的に流行している中で、来る8日からコロナ対策を抜本的に緩和すると公表した。コロナの発生国らしい身勝手な言い分であり、相変わらず世界中にウィルスをばらまいている国とも言える。困ったお国である。