5609.2022年12月29日(木) プーチン大統領の身勝手な誇大妄想

 年末も押し詰まり今年も残すところあと3日となった。今年は寅年のため年男だったが、昨年同様にコロナ、コロナに明け暮れた憂鬱な1年だった印象が強い。今もコロナは旋風をまき散らし、一時収束へ向かいそうだったが、逆に拡大しつつある。経済面を配慮して政府が緩和策を取ったせいで、年末年始も行動制限なしにしたが、むしろ正月明けの感染状況が気がかりである。このところ人出も増え東京都の死者数も増えむしろ勢いを盛り返したようだ。午後近所をウォーキングしていたら、行き交った人の中にはマスクを着用していない人がかなりいた。これも身勝手に自分勝手にコロナ渦から緩和していると思っているのだろう。

 昨日愛子内親王が20歳の誕生日を迎えて成人となられた。大学2年生であるが、お気の毒にも今以て対面授業がなく大学へ通学していないという。これでは残りの大学生生活の間に親しいご学友も出来ないのではないかと懸念される。いつになったらこの鬱陶しい空気は解消されるのだろうか。来年こそこんな嫌な空気を吹き飛ばして欲しいとウサギさんにお願いしたいものである。

 さて、今年は沖縄本土復帰50周年という沖縄県人にとっても、日本人にとっても記念すべき1年だった。復帰以前に多少なりとも沖縄返還闘争に加わりデモにも参加して、力及ばずともその一翼を担ったとの自負は少なからずある。沖縄は、国内で唯一地上戦が行われた島であり、その結果広島、長崎のような原爆被災地と変わらぬ犠牲者を生んだ。沖縄戦の犠牲になり沖縄県民の4人にひとりが亡くなったといわれている。そのしこりは今も残っているが、際立っているのは男女の人口比である。特に終戦の1945年沖縄では21歳から45歳までの働き盛りに男性が少なく、全体の約3割しかいなかった。7割が女性だった。その後沖縄の生活と再生は長らく女性によって支えられていたということになる。今戦闘中のウクライナはどういうことになるだろうか。いずれ停戦となった何年後には、沖縄同様に女性人口が多いということになるのではないだろうか。

 ところでいつまで経ってもウクライナ戦線が縮小される気配がない。しかし、英国王立防衛安全保障研究所の日本特別代表の秋元千明氏によると、このまま戦争が膠着状態なら来年8月末にはロシア軍の軍事資金が枯渇し始め、大規模な戦闘の継続が難しくなると述べている。そうあって欲しいものである。

 そもそもプーチン大統領がスターリンの旧ソ連時代の強い帝国主義国家へ回帰幻想に陥ったのが、侵攻のひとつの大きな要因である。このほどロシアが、サンクト・ペテルスブルグで同盟関係にある独立国家共同体(CIS)の非公式首脳会議を主催した際、プーチン大統領は各国の首脳8人と自分自身にそれぞれ「謹賀新年2023」の文字が刻まれた黄金の指輪を贈ったことが、EU、特にイギリス・ジャーナリズムの話題となっている。イギリス人作家トールキンの「指輪物語」に登場する死者の世界を支配する「モルドール」王国サウロン冥王を彷彿させるというのだ。残念ながら同書を読んでいないが、同書ではサウロン冥王が地上の9人の王たちを意のままに操るために指輪を与えたようだが、プーチン大統領もその辺りを意識して、冥王の役割を果たしたつもりでいるようだ。ロシアの著名な政治学者エカテリーナ・シュルマン氏ほかの政治評論家も指輪の贈り物は、実際に「指輪物語」を意識したものだったとの見解を示しているそうだ。ただ、9人の首脳の中で実際に指輪を付けていたのは、プーチン氏に忠誠を誓っているベラルーシのルカシェンコ大統領だけだったらしい。

 一方、ウクライナの国会議員が、プーチンは21世紀のヒトラーを演じるのに飽き、指輪の王を演じることにしたと皮肉たっぷりにあげつらっている。プーチン大統領もヒトラーに飽きるのではなく、戦争に飽きて欲しいものだ。

2022年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com