5603.2022年12月23日(金) タリバン非道政権の女性差別・蔑視

 今日もかなり外は寒い。数日来日本海沿岸を襲っている豪雪の影響でかなり交通網がマヒ状態のようだ。そのため生鮮食料品の搬送が充分行き届かず、スーパー、コンビニなどでは食料品が大分不足しているらしい。この気象が日本海方面ばかりではなく、少しずつ太平洋沿岸にも及んでくるようだ。先日南国鹿児島に積雪があったように、今日四国の高知市に観測史上1位となる積雪があった。関東地方に積雪の予報はまだ出されていないが、油断はならない。明日はクリスマス・イブであるが、イメージ的にはトナカイのサンタクローズぴったりの‘Merry Christmas’にりそうだ。

 さて、昨年8月アメリカ軍が撤退したアフガニスタンでは、イスラム主義勢力タリバンが実権を握り暫定政権を樹立し。ところが、発足以来今以て正当な政府として承認した国が世界のどこにもない有様である。世界から国家としてまったく認められていないのだ。そのタリバンは、一昨日乱暴にも女性の大学通学を無期限に停止すると通知を出した。これまで大学に限り、校舎で学ぶ時間帯を男女で分けるなどして男女別学の授業を行ってきた。それも停止されることになった。中高では、男女別学の環境が整っていないとの理由で女子は学校に通学できず、自宅待機を求められている。女子に教育を与える機会を奪ってしまったのである。このように、またもや国際基準からはみ出す抑圧を国民に押し付けたのである。国際社会から孤立して独善的なイスラム式統治を進めた結果、人道危機深まるばかりである。

 イスラム主義に凝り固まっていた政権首脳らは、それでも発足直後は人材を登用し、女性の権利を尊重すると約束していた。だが、その約束は空約束で毛頭守る気なかった。世界中から総スカンを食った挙句に経済制裁によりアフガニスタンの人口約4千万人のうち、約2割が貧困に喘いている。国際社会からの経済的支援を受けられない現状から、今後益々貧困層が増えることが予想される。国連のグテーレス事務総長は、教育の否定は女性の権利の侵害だけでなく、国の将来に壊滅的な影響を与えると強く非難した。

 男女差別、女性蔑視の突出したイスラム原理主義は、何故政治の表へ出てくるようになったのだろうか。他のキリスト教や、仏教などでは過去はともかく、現代ではほとんど政治的活動を抑えている。それはイラン、サウジアラビア、イエーメンなどイスラム主義の色彩の濃い国々でもこれほど露骨ではない。こうなると宗教は人を救うという教えが意味をなさない。気の毒なのは女性ばかりでなく、アフガニスタン国民すべてである。22年前パキスタンからアフガニスタン国境のカイバル峠へ至る道筋で、心理的に段々嫌な雰囲気が感じられた時のイメージを想い出してしまう。それにしても昨年8月にアメリカ軍が撤退してから、アフガニスタンはまとも人間が住める国とは言えなくなった。そうしたのは、タリバンのせいばかりではなく今日を予想して撤退したアメリカであるとも言える。今やウクライナ問題に世界中が強い関心を抱いているが、気持ちはとかく冷めやすいように、アフガニスタンの非道な政治にはそれほど関心が示されていないように見える悪魔「サタン」とも思えるタリバンには、お灸をすえることを忘れてはならない。さもなければ、いつまで経ってもこういう非業な差別はこの世から消えないだろう。

2022年12月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com