5601.2022年12月21日(水) 豪雪と日銀の金融緩和策修正

 この数日北陸、東北地方を中心に寒波が襲来し、国道8号線柏崎と結ぶ国道17号上では積雪の中を自動車が立ち往生して、その車列は実に26㎞にも及んでいる。車のマフラーが雪で塞がれ、一酸化炭素中毒により車内で亡くなった人の外に、屋根から落ちた雪の下敷きになり命を落とした人も出ている。自衛隊が緊急出動して救助に当たっているが、まだ雪は止みそうになく、このままテレビなどでは雪と苦闘する人々の姿が映し出されそうである。明日以降も日本近海は強い冬型の気圧配置になり、更に強い大寒波が襲来すると予想されている。今冬は近年になく厳しい寒さがやって来そうである。

 さて、北陸地方に劣らず厳しい寒さの東京であるが、昨日脈拍が急上昇したことで、山内クリニックへ服用薬「シロスタゾール錠50㎎」の扱いの相談と処方についてお話を伺いに出かけた。昨晩から服用を中止したが、今朝になって脈拍は91にまで下がった。これら血圧脈拍の変化表をクリニックの医師にお見せしたところ、僭越だが随分感心されてこういう監視をしていれば普通では分らない異常に気付くものだと言われた。その場で計測した脈拍は84にまで落ちていた。「シロスタゾール錠50㎎」を中止した効果が表れたというべきであろう。医師からその代わりに血液が固まり難いとされる「キャブピリン配合錠」を毎朝食後に飲むようアドバイスされた。これでしばらく様子を見たいと思っている。

 ついては、昨日日本銀行が漸く円安に伴う諸々の経済的マイナスを修正しようと考えたのか、長期金利の上限をこれまでの「0.25%程度」から、「0.5%程度」へ引き上げた。2013年春以来ほぼ10年間に亘って続けていた大規模な金融緩和の修正である。金融関係者は事実上の利上げと受け止めているが、日銀は国債買い入れで長期金利が著しく下がったことにより低下した市場機能の改善を図るためと詭弁を弄している。

 安倍元首相の下でアベノミクス運営に大きく関わってきた黒田東彦日銀総裁は、金利を上げたことをあくまで「利上げではない」と強弁している。任期切れを前に一向に良くならない市場経済と、先進国中央銀行の高利率との板挟みに苦しんでいる総裁の窮余の一策が、この利上げならぬ「利上げではない」の言葉に表れたのだろう。この発表を受けて株式市場は敏感に反応し、長期金利は急上昇し、大幅な円高、株安となった。1㌦は131円台へ、そして日経平均株価は、一時800円も急落した。新聞の解説を読んでも、黒田総裁に厳しい見方が多い。長期に亘る長期金利の抑制策は、日銀が作った超金融緩和政策の屋台骨であり、事実上の国債買い支え策である。当然市場にはこの修正を「政策転換」と受け止める向きもある。だが、黒田総裁は否定している。中々分かり難く説得力を欠いていると考えざるを得ない。年明けに引退すると考えられている黒田総裁としては、「立つ鳥跡を濁さず」を願っていることだろうが、円安や物価高などを生んだ政策は、修正を迫られたと言うべきであろう。今後株式や住宅ローンなどに影響が表れないことを願うばかりである。

2022年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com