5594.2022年12月14日(水) お粗末な自民党防衛費支出議論と寂しい友人の死

 最近政府、及び自民党内で行われている話し合いが、意図と順序、話し合いの過程、社会通念の点でお話にならない。第1に防衛費増額について政府が独断で一方的に決めたことである。この点については野党もほとんど追及していない。そもそも防衛費が増える根拠は、自衛隊の拡充であり、防衛設備の拡大、充実である。それが故に先制攻撃につながりかねない敵基地攻撃の能力などを謳い出し、日米協力を都合よく解釈しアメリカから兵器を購入するという寸法である。日本国憲法に基づき国会で議論の末決めた専守防衛などはどこかへ忘れ去ってしまったようである。5年間に43兆円もの防衛予算を決めたようだが、まだ国会で承認をされたわけではない。防衛費増額に対する一連の動きに対して、共産党をはじめ野党の反対の声があまり聞かれないのが不満である。

 第2に、そのための財源の問題として岸田首相は安易に増税はしないと言いながら、自民党税制調査会が防衛費増額分については2027年度まで段階的に1兆円を増税する方向で検討している。その結果税調は防衛費の増額に伴う財源に、法人税、所得税、たばこ税の増税分を充てるとの結論を出した。所得税には、「復興特別所得税」の転用を考えているようだが、東日本大震災の復興資金を防衛費に転用しようというのだから、何を考えているのか非常識も甚だしい。震災被災者にどう説明するのだろうか。その話題が出た時に一部自民党員の間から反発が出ていたし、秋葉復興相から疑問を呈されている。呆れかえるばかりである。本意を理解せず、よく根回しもせずに簡単に決めてしまうから、自民党内で岸田首相の拙速な手法に益々不満と反発が強まっている。このままだと一段落したところで政争になりかねない。大体政治家のやることなんて「その場しのぎ」や、「のど元過ぎれば熱さを忘れる」類の感覚とパフォーマンスばかりである。

 さて、今日高校時代の友人から同じクラスのKくんが亡くなったと連絡があった。先日やはりクラスメートのひとりが亡くなったと奥様から知らされたばかりである。Kくんは大手化学会社の駐在員として長くブラジルに勤務していたことがある。その彼が7年ほど前に偶々ブラジルへ旅行すると知り、カイロで知り合って以来半世紀近くに亘って交流し、我が家にも来たことのあるブラジル人の友人と最近連絡が途絶えたことが気がかりだったので、無理をお願いしてブラジル人の友人の消息を確認して欲しいと頼み、ブラジル人宅を訪ねてもらったことがある。その結果体調が優れなかったことが分かり、間もなくそのブラジル人の友人は亡くなった。その経緯を拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の1章に取り上げたこともある。Kくんは割合近くに住んでおりお互いに第2の人生を迎えてから急速に親しくなったが、父親は、古代ギリシャ文学の権威である元東大教授で、小田実の恩師でもあった。つい最近もコロナが収束したらまたクラス会で会おうと語り合ったばかりだった。またひとり親しかった同級生が逝ってしまった。残念であり寂しい。心よりご冥福をお祈りしたい。

2022年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com