5591.2022年12月11日(日) 不審だらけの臨時国会閉会

 昨日臨時国会は69日間の会期を終え閉会となった。昨日参議院本会議で旧統一教会に関する被害者救済新法が可決、成立した。安倍元首相銃撃事件を発端に、旧統一教会に対する不透明な組織、並びに政界と旧統一教会との密着ぶりがおぼろげながら公の前に表出され、問題点の解明と被害者に対する救済措置を検討してきた。問題の旧統一教会と最も強く密着していた安倍元首相が亡くなったことにより、自民党と旧統一教会との後ろめたい関係は闇に包まれたままになってしまった。しかし、銃殺された元首相に同情、遠慮した自民党と当局の追求が弱かったことは否めない。今なお日本の信者から集められた多額の資金及び献金は、韓鶴子理事長の韓国の統一教会本部へ次々と送金される一方である。結局昨日の国会では可決した法案は、日本の被害者である献金者や、信者二世が養子に出され個人の主権を奪われた点について少しでも支援しようという法律であり、とても完全なものとは言えない。取り敢えず信者二世にも理解はされたようだが、なお追及を緩めないで欲しいというのが強い要望である。

 政府は、子育て支援策として出産育児一時金を来年度から現在の42万円を50万円に増額することを決定した。他には、すでに話題になった防衛費の増額を決めた。今朝のテレビでも議論されていたが、最大の問題は財源である。国民に増税を課すのかどうかどうもすっきりしない。向こう5年間に43兆円の防衛予算を組むことを首相は公表しているが、論客の寺島実郎氏は防衛予算の外に駐留アメリカ軍の経費のうち約6割を日本政府が負担していると述べた。これまでもこの事実は闇に伏されていたが、実際の金額はどれほどになるのか、分からない。しかし、これも公に公表すべきである。或いは、駐留米軍費用を含めた全防衛予算は実質的には、一般会計予算の対GNP比2%ではなく、3%に達する可能性もある。

 臨時国会で懸案の法案を可決して、取り敢えず岸田首相はホッとしているだろうが、短期間に3人の閣僚が辞任したり、防衛予算の決め方について自民党内にやや反発もあり、取り急ぎ安全地帯へ逃げ込んだとの印象が拭えない。朝日朝刊が指摘しているように、(旧統一教会にからむ)新法の成立によって世論の批判をかわす狙いが透けて見えた。会期を延長せず閉会することを最優先に、小出しで野党に譲歩し、必要最小限の審議時間と野党が賛成し得る内容に留めた。

 さて、サッカーWC準々決勝は昨晩残り2試合が行われ、アルゼンチンとモロッコが勝ち上がり、ベスト4はアルゼンチン、クロアチア、フランス、モロッコに決まった。モロッコのようなアフリカ勢がベスト4に残ったのは初めてである。それにしても、昨日のアルゼンチン対オランダ戦では、両軍選手に対して計15枚もイエローカードが出されたというから如何に荒れた試合だったか見当がつく。乱闘寸前の場面も大分あったようだが、場外からもあまりにも多くのイエローカードが出したレフェリーに対して疑問と不信の声が出て、レフェリーにこそレッドカードを提示すべきだとの声が聞かれたという。準決勝は更に熱っぽくなることだろう。

2022年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com