5675.2022年11月26日(土) プーチン・ロシアの身勝手さ

 今年2月にロシア軍がウクライナへ侵攻して以来、局地的戦闘状態が続き、一進一退を繰り返す中で、ロシアがウクライナのエネルギーなどインフラ施設を主な標的に攻撃を続けて、ウクライナでは停電、断水、ガス供給停止など国民の生活面に大きな影響が表れている。すでに雪が降り始め、極寒が予想されるウクライナ各地では、厳しい寒さをいかに乗り切っていくかが目の前の大きなハードルである。

 一方ロシアでは、徴用された一般兵士が十分訓練も受けないまま戦場へ送られ、多くの犠牲者が出ている。ロシアの兵役の過酷さは、例えようもないほどで、十分な休息も与えず酷使され、食事も満足に与えられないまま厳しい冬の寒さの中を上官の命令一つで最前線勤務をさせられている。最近漏れ聞こえてくるロシア軍内部の非人間的な兵役規律は、米原万里著「ロシアは今日も荒れ模様」に随分露骨に描かれている。酒好きのロシア人は、酒さえあれば食事も要らないというほど酒に溺れがちとなる。ウォッカさえ飲めば、上司の命令一つで大した装備もなく前線へ駆り出され、戦わされていると言われている。ロシア軍では無駄に命を落としている兵士が多い。内部規律やモラルも酷いらしく、最近ロシア人捕虜と交換で解放されたウクライナ軍女性兵士に対して、頭髪を剃り上げたり、男性の前で全裸にさせる性的虐待を加えたとも言われている。

 ロシア軍は、対ウクライナ戦争ですでに多くの犠牲者を生んでいるようだが、昨25日どういう意図か分からないが、プーチン大統領がモスクワ郊外の公邸で、招集兵の母親らと面会した。しかし、彼らのほとんどは与党のメンバーや、愛国主義的活動を行っている人が多く、面会自体が政府の演出によるPRだったのではないかと言われている。プーチン大統領は「痛みを共有していることを知ってほしい」と都合の好いことばかり言い、ロシア軍に多数の死傷者が出ている現状に理解を示してほしいと訴えた。その上で多くの犠牲者が出ているのは、ウクライナの責任であり、自分たちは目標を達成しなければならないとの決意を述べた。随分身勝手な話である。残念ながら、心から息子たちの身を案じている軍人の母親ら肉親の声は、ロシアでは届きにくい。

 ついては、話題を変えて今年のプロ野球の最優秀選手(MVP)について考えてみよう。昨日日本プロ野球機構(NPB)が今シーズンの最優秀選手として選出したのは、セ・リーグではヤクルトの村上宗隆選手、パ・リーグではオリックスの山本由伸投手だった。予想通りである。ただ、驚くのは、2人とも2年連続で選出されたことである。確かに2人とも他の選手の追随を許さないほどの活躍ぶりだったが、他の選手が少々情けないのではないかと思う。競争の激しい筈のプロ野球界で2つのリーグでそれぞれの年間最優秀選手が、2年続けて同じ選手だったというのはどうも素直には納得し兼ねる。2人ともまだ若いので、これからも同じ栄誉を手にすることがあろうかと思うと同時に、他に傑出した選手が現れないものだろうか。もし新たに若い秀でた選手が現れないようだと、プロ野球界の将来もやや暗いのではないかと懸念する。毎年意気盛んな若手が数多く入ってくるプロ野球界であるが、同じ選手にいつまでもタイトルを独占されているようでは、次第にプロ野球界も沈滞し、人気もサッカーや、他のスポーツに追い越されてしまうだろう。

2022年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com