「週刊文春」と並んで、芸能人のスキャンダルを報じて話題を提供している「週刊新潮」の11月24日号を久しぶりに読んでみた。その話題のひとつは、マサカリ投法で鳴らした元プロ野球投手の村田兆治氏である。200勝投手であり、近年は離島の子どもたちに野球をする機会を作って離島甲子園大会を設けてあげ、彼らに野球の楽しさを教えていた。その村田氏が自宅の火災で不慮の死を遂げた事実を不審感を持って報じていた。素晴らしい剛速球投手だと知っていただけに、プロ野球ファンとしては寂しい気がしている。
更にその記事もさることながら、もうひとつ興味深かったのは、秋篠宮家の悠仁さまの高校生活に関する赤裸々なレポートである。
将来の天皇になられる悠仁さまのプライバシー、それも学業成績という外部に覗かれたくない部分をこれだけ露骨に暴かれて、よくぞ宮内庁は黙認していたものだと疑問を覚えた。記事の主題は「『悠仁さま』‘赤点危機’で赤門赤信号⁉」と悪ふざけとも受け取られかねないものだ。副題が2つも添えられている。ひとつは、「初の『東大天皇』悲願の『紀子さま』が焦燥」で、もうひとつは、「超進学校の授業に戸惑い 追い詰められ『背伸び』の末の『学業』懸念」というもので、まるで悠仁さまの成績が悪いような表現で悠仁さまと紀子妃殿下を晒しものにするような内容である。
そもそも悠仁さまは他の皇族方が幼稚園から大学まで学習院へ通学するのが、通例だったが、悠仁さまは入学したお茶の水女子大付属中学の成績が良かったからか、今春進学校として知られる筑波大付属高校に入学した。実は、その時点で大きな話題にはなっていた。筑波大付属高は東大入学者が全国でもトップ10に入る名門進学校である。しかし、仮に入学しても校内でトップクラスの成績でなければ、東大へ入学出来る保証があるわけでもない。
それより何より、どうして他の皇族方と同様に学習院を卒業されてオーソドックスに天皇の道へ歩もうとしないのか理解し難い。記事から憶測すると秋篠宮紀子妃殿下が初の「東大出身天皇」に拘っていたのではないかと思える。昨年亡くなられた紀子妃の父川嶋辰彦氏は東大経済学部を卒業され、ペンシルヴェニア大学院博士課程で博士号を修得され長年学習院大学教授を務めておられた。紀子妃殿下は父親と同じように何としても東大卒の肩書を子息の悠仁さまに背負ってもらいたかったのだろうか。
しかし、その結果は、週刊誌に「赤点、赤点」と興味本位に取り上げられ、悠仁さまが高校では成績が優れず、東大はとても無理との思わせぶりな内容に、秋篠宮ご一家は気恥ずかしい思いをされておられるのではないだろうか。ご一家にとって、「真子様旋風」がやっと過ぎ去ったが、新たにあまりも不名誉な週刊誌の取り上げられ方になってしまった。
秋篠宮家には災難だったろうが、悠仁さまに東大に合格してもらいたいためにあまりにも軽々しく動きすぎたような気がしている。それにしても取材し報道した新潮社に対して、宮内庁ももう少し思いやりと警戒心を持ち機密事項を守るよう配慮すべきことを要望すべきだったのではないかと思う。この「赤点」の噂が終生悠仁さまに付いてまわり、心を傷つけることにならなければ良いが、と思っている。