5663.2022年11月14日(月) 今の中国は国民にとって幸せだろうか。

 ウクライナへ強引に軍事侵攻を冒したロシアに対して世界中から非難が集中したが、そのロシアへの非難に手を挙げない国々がいくつかある。それはロシアとの経済的に強い関係からロシア非難が、自国に仕返しとして跳ね返ってくるからである。その中で中国が、国連のロシア非難宣言に同意しなかったのは、ロシアを支持するとか、経済関係を考えること以上に、アメリカのリーダーシップに従うことに抵抗があった対米視点と対応から採ったポーズだろう。

 その中国が、途上国を一帯一路政策により、途上国への支援、援助の担保として経済的なメリットを掌中に収める国策によって、途上国を支配しようとしていることや、国際法違反の公海上の海洋進出が、日欧米ら資本主義国側から厳しく非難されている。

 中国では、先月16日習近平総書記政権3期目がスタートしたが、この3期目に毛沢東時代の文化大革命のような恐怖政治に陥る脆弱さを秘めていると言われている。習政治には2つの危うさがあると指摘されている。

 ひとつは、先の中国共産党20回全国大会で世界に晒した胡錦涛前総書記が職員に腕をつかまれ退席させられた一件である。これは胡錦涛氏が党の規約改正案の採決に賛成しそうもない可能性があることから、その場を国民に見せたくないために習主席が先手を打ったと見られている。その胡錦涛氏の反対場面を映像で見られたくない習主席が、強制的に退場させたものだと言われている。これで規約改正案採択の際は、全員が賛成となる。その後胡錦涛氏は病院に強制入院させられたと言われている。

 2つ目は、習総書記が台湾統一について、武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとると断言したことである。これは3期目の公約でもあり、これさえうまく行使し実績となれば、第4期目も狙おうと権力へのこだわりと欲望は衰えるところがない。あるシンクタンクが危惧しているのは、習総書記に対して意見を言う人がいなくなったことであり、同時に現在の最高指導部の中には習氏の後継者となりうる人物が見当たらないことだと指摘している。

 経済援助により貧しい国々を抱え込んだ中国ではあるが、中国にとって気がかりなのはその経済がこのところやや鈍化しつつあることである。例えば、胡錦涛時代にはGDPの成長率が、2007年には14.2%を記録した。ところが、習政権になって最も成長率が高かったのは、昨年の8.1%だけである。最大の悩みは、人口政策である。長年のひとりっ子政策のため、中国では極端な少子高齢化による生産年齢人口と非生産年齢人口の極端なアンバランスが目立ち始めた。女性の意識も大きく変わった。出産や結婚を忌避する若い女性が増えた。飛躍的な経済成長を遂げたのに、女性の地位には全く変化がない。こんな社会では結婚して家族を持つなんてまっぴら御免と考えている若い女性が多いことである。国連の世界人口予測によると中国の人口は、今の14億人から今世紀末にはほぼ半減する。

 このような現実を習近平総書記はどう考えているのだろうか。結局は毛沢東と同じように自らの権力行使のためだけの政権担当で、中国自体も、中国国民も無駄な時代を過ごしたということになるのではないだろうか。

2022年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com