5659.2022年11月10日(木) 地球温暖化で日本に厳しい声

 今年は世界各地で異常気象による自然災害が多い。地球温暖化による影響が大きいと言われているが、北アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカでは雨量が少なく広範囲な干ばつ状態の一方、南アジアでは異常な降雨により河川の氾濫が起きている。特に、パキスタンでは夏の大洪水の後、9月の大水害により国土の1/3が水没したと伝えられている。更に南太平洋では、温暖化により海水が上昇し島嶼が冠水する被害が続出している。

 そんな折今月6日から18日までエジプトのシャルム・エル・シェイクという個人的に印象に残っているシナイ半島の突先にある地で、気候変動対策を話し合う国連の会議COP27が開かれている。100以上の国や地域の首脳たちが演説し、深刻な被害を訴える途上国に対して、先進国がどれだけ支援することが出来るか、激しい駆け引きが行われたようだ。日本からは小池百合子・東京都知事が出席した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ビデオ・メッセージで「ロシアによる軍事侵攻は、世界的なエネルギー危機を招き、多くの国に石炭火力による発電所の再開を余儀なくさせた」と述べ、軍事侵攻が温室効果ガスの排出量が多い石炭への回帰の原因になっていると批判した。パキスタンのシャリフ首相は、ヨーロッパの3つの国に相当する広さの3,300万人が影響を受けたと述べた。

 また、COP27の場で世界の環境団体で作る「気候行動ネットワーク」(CAN)は、公的資金を石油や天然ガスなどの化石燃料に拠出した国として、カナダ、韓国、中国らを追い越しダントツに資金を投入した国として日本は、3年連続して不名誉な「化石賞」を贈られた。会場周辺では、化石燃料への巨額の公的拠出を続ける日本を標的に抗議デモも行われた。

 警戒しなければならないのは、先日も岸田首相が電力不足に直面していとも軽々しく原発再開、解除に触れたことである。今や電力が不足気味であり、加えて温暖化ガス排出にブレーキがかけられている中で、クリーンな発電ではあるが、放射能の危険を顧みず、いとも気軽に原発稼働に回帰することである。

 さて、アメリカ中間選挙の総括が少々ややこしい。当初共和党が文句なしに圧倒するとの前評判だったが、開けてみると尻すぼみだった。それでも民主党にとってはこれまで以上に苦しい議会運営を求められる。ややこしいのは、各州のルールにより難しい判定があることである。例えば、ジョージア州上院選では2人の候補者が接戦を続け、現時点で2人とも過半数に達せず、州法により12月6日に決選投票することになったという。上院は現在まで民主党が48議席、共和党が49議席を得て、残りは僅か3州である。その3州の中にジョージア州があるとすれば、最終的な結果は来月まで待たなければならない。それにしてもIT技術の先進国であるアメリカの大きなイベントである中間選挙に、ITの技術が生かされていない。

 現時点では、最終結果を知ることが出来るのはいつになるか分からない。アメリカでは大統領選における選挙人というアメリカ独自の選挙制度のように、獲得総数が多くても必ずしも勝利というわけではない。かつてゴア氏がブッシュ大統領に、またクリントン氏がトランプ大統領に獲得総数では上回ったにも拘らず、大統領にはなれなかった。アメリカの選挙制度はとにかく複雑で分かり難い。

2022年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com