昨晩は皆既月食と天王星が重なる珍しいダブル現象が、夜空に見られた。午後7時15分過ぎにテレビの言われるままに夜空を見上げて月が徐々に隠れるのを双眼鏡で見ていた。このダブル現象が見られたのは、1580年以来というから驚きであるが、よくぞ調べたものだと感心する。織田信長が見たのではないかと言ったタレントがいたが、それほど昔の天文の現象が分かるというのも驚きである。挙句には、次回のダブル現象は322年後の西暦2344年と調べ上げたようだから、これにも脱帽するばかりである。だが、こういう空を見上げてロマンを想像するのは、爽やかな気持ちになるものだ。国内外に残酷な事件や、暗い事件が溢れている中で余程すっきりする。
さて、アメリカでは大統領選挙の中間に行われる連邦議会上院及び下院の改選議員、知事選の投票が昨日行われた。すでに今日開票が進み、刻々とその状況がテレビで伝えられているが、戦前から与党民主党の旗色が悪かったが、途中までの結果でもやはりその通り民主党が共和党に先を越されている。これまで、上院50:50、下院220:212でバイデン大統領の民主党がほんの僅か抜け出ていた現勢力だったが、今日の途中経過を見る限りどうも民主党の敗色が濃いようだ。
実は昨今のアメリカ国内の社会を見ていると、民主主義の本家を自任するアメリカが、選挙でこれほど非民主的な言動を弄するとは思いも寄らなかった。特に共和党はトランプ前大統領が前面に出て、民主党候補者を徹底的に攻撃する。重箱の隅をほじくるように小さな失策を厳しく追及すると同時に、何の証拠もないのに相手を誹謗中傷するような演説で民主党候補者を追い詰める。そのトランプ氏自身2年前の大統領選で敗れ、意に反して再選が叶わなかったが、その直後から選挙に不正があったと一方的に選挙のやり直しを求め、当選したバイデン氏に祝意を告げることはなかった。その後トランプ支持の多くの群衆が連邦議会堂へ暴力的になだれ込んで乱暴・狼藉を行ったが、その背後でトランプ氏が糸を引いていたと言われている。
一応民主的に行われた選挙に対して敗れるや、不正が行われたとして、一方的に選挙を認めないとするなら、アメリカの民主主義は一体どこにあり、どうしたら民主主義国家らしく行動出来るのだろうか。トランプ氏の口車に乗って各地の共和党候補の支持者が、異口同音に大統領選の不正を肯定している現状からは、アメリカには民主主義の種も実もなくなってしまったのではないかと危惧している。それが、具体的に表れているのが銃砲所持の認可である。これほど銃乱射事件で多くの尊い生命が犠牲になりながら、古い西部時代の論理をぶち上げて自らの身を自らが守るために必要だなんて、時代錯誤の考えを尤もらしく言っているようでは、とても民主主義がアメリカ社会に根付いているとは言えまい。
現時点で、やや優勢な共和党が仮に議会の多数を占め、これに味を占めたトランプ氏が2年後に再び大統領選に打って出たら、どんな喜劇が演じられるだろうか。トランプ氏は15日に自身の今後について考えを公表すると言っている。アメリカも選挙ゴッコでふざけているようでは、いずれ同盟国が愛想をつかして次第にアメリカから離れていくだろう。
今日5回目のコロナ・ワクチン接種を受けた。先月31日には、インフルエンザの予防接種も受けているので、取り敢えずこの冬を乗り切っていけると思っている。