5653.2022年11月4日(金) 国際政界の著しい変転ぶり

 先日ブラジルの大統領選があり、右派の現職ボルソナロ大統領が左派のルーラ前大統領に敗れた。そのボルソナロ大統領は、トランプ米前大統領と同じように選挙に不正があったと主張して、敗戦を認めず、ルーラ新大統領にエチケットである祝福の言葉すら送ることをしなかった。

 ついては、昨3日イスラエルでも総選挙が行われたが、これはブラジルとはまったく逆の結果となり、現職ラピド首相が率いる中道左派と左派グループは、ネタニヤフ元首相の率いる極右「リクード」陣営に敗れ、政権を明け渡すことになった。ただ、ボルソナロ大統領と異なり、ラピド首相は潔く敗北を認め、ネタニヤフ氏に「イスラエル国民のために、ネタニヤフ氏の幸運を祈る」と祝福の言葉をのべた。

 気がかりなのは、元々極右のネタニヤフ氏が政権カムバックすることによって、以前の在職時と同じようにアラブ人への弾圧が一層厳しくなると見られ、国内でテロ騒ぎが頻発するのではないかという懸念がある。それにしても、今回のブラジルやイスラエルのように、政治が極端から極端へ転換すると国民が選択したことであるとは言え、かなりの国民は面食らうのではないだろうか。その点では、中道政治グループがもっと活動し存在感を示して、極端に走りがちの政権にブレーキをかけさせることが必要ではないかと思っている。イスラエルは最近4年間に5度の総選挙を行った。それだけ政局が不安定であることを表している。

 あまりにも過激に過ぎると、次のような手荒なことが起きる。アメリカのペロシ下院議長宅が暴漢に襲われ、ペロシ氏は留守で難を逃れたが、自宅にいた夫が負傷した。アメリカ国内には暴力の下地があり、民主主義国家としては恥ずかしいことである。政治家が襲われることは、昨日パキスタンでも起きた。イムラン・カーン元首相が集会の最中に銃で撃たれ負傷した。こういう事態が頻発するのは、アメリカに例えれば、今以て西部開拓時代の暴力野放し時代から抜け出せないということである。こうなると子どもが銃砲を持つのと同じである。民主主義社会が進歩していると言いながら、実際にはアメリカでは民主社会が後退していると言うことである。そうなると、国が核を持つ怖さが現実味を帯びて来る。日本の周辺にも、わからずやの暴力団組織が見られる。プーチン組と習近平組、そして金正恩組である。気を付けないといつ彼らに襲われないとも限らない。

 さて、このところコロナ新規感染者数が、全国的に拡大している。第8波の到来という警鐘があまり重視されず、全国旅行支援キャンペーや、外国人入国制限の緩和のように、全体的に緩和の傾向が窺える。だが、このままにしておいて良いのだろうか。今日東京都ではその対策について専門家会議を開いた。新規感染者数の7日間平均が、10月26日の3,305人から今月2日の1週間の間に4,306人に増え、約千人もの増加となった。入院患者も増え、去年末の高い水準を上回っている。夜の街への人出も3週間前に比べて、約38%も増えている。このままにしておいて好いのだろうか。いよいよコロナ第8波到来ではないだろうか。

2022年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com