一向に停戦の気配が見えないウクライナ戦線で、ロシアはウクライナが「汚い爆弾」を使用する計画があると突然主張した。ウクライナは、これはロシアが「汚い爆弾」を仕返しとして使うために使った口実であると反論している。欧米は偽りの情報としてロシアを批判しているが、ロシアは現状この戦争の成り行きが効果的ではなく、あらゆる裏の手を考えているようだ。
実際最近ではロシア空軍機の墜落が相次いで、去る17日に南部グラスノダール地方で訓練飛行中の戦闘爆撃機が、アパートに突っ込んで炎上し15人が死亡した。23日にもイルクーツクでテスト飛行中の戦闘機が、住宅に墜落して炎上し乗員2人が死亡した。2月にウクライナ侵攻後、戦闘以外で11機のロシア空軍機が墜落したが、そのほとんどが酸素ボンベに不具合があったり、緊急脱出装置が機能しなかったり、事故は通常あり得ない異常な状態から発生している。これらは、ロシア軍の士気を低下させる原因となっており、ロシアとしては下がった士気を向上させるために、戦闘や戦闘員らとは無関係な理由をつけて別の戦略を考えているのではないか。それが言いがかりのようなウクライナ軍の「汚い爆弾」説であると思う。
それにしてもこれまで軍需物資に具体的な名称や、科学的根拠に基づいた名前で呼ばれず、漠然とした形容詞「汚い」などを付けた軍製品は耳にしたことがない。これが、放射能を含んだ爆弾であることからあまりにも露骨な恐怖感と被害を与える爆弾であることから、敢えて「放射能爆弾」のような呼び方を避けたのだろう。
ロシアのプーチン大統領は、ロシアにとって形勢が悪くなれば、世界中の批判も恐れず強引に核爆弾を使用する考えのようだ。ウクライナを始め、欧米諸国はロシアが窮鼠猫を嚙む状況に追い込むことは、避けたいところだ。しかし、核や放射能を使用すれば、世界にとって取り返しのつかない状況を生み出すことは、いかに愚かなプーチンと言えども分かっている筈である。相手を脅しによって怯えさせ、自国を有利に導こうとするロシアの戦略では、ロシアの勝利は絶対あり得ないし、下手をすると世界が共倒れになる。それを世界の良識がどうやって止めることが出来るだろうか。相変わらずロシアの動きから目を離せない。
さて、話は180度転換するが、「汚い爆弾」が騒がれる一方で、このほどイランで亡くなった「世界で最も汚い男」が話題になっている。アモウ・ハジという94歳の男性で、半世紀以上も風呂やシャワーを浴びなかったというから、その不潔度も想像出来る。彼は風呂に入ると病気になると考えていたが、数か月前に近くの村民が風呂に入れたという。その挙句に死亡した。恐らく風呂に入らなかったら生き延びたかも知れない。彼は、衛生的な生活は好まず、1日に4リットルの水を飲み、腐った動物の死骸を食べ、動物の糞やタバコを喫っていたという。不潔な生活が続き、歳月とともに肌は練炭のように黒ずみ、肌は固まってワニの皮のように固くなった。身体からは悪臭が漂っていたという。確かに生前の写真を見てもそのご面相にはびっくりする。
彼が幸せだったかどうかは分からない。しかし、医師の世話にもならず、不衛生な生活をして、よくぞ94年も生き抜いたというのは奇跡的である。これほど極端でないにせよ、あまり周りであれこれ世話を焼き過ぎるのも考え直した方が良い、ひとつのヒントになるかも知れない。