5542.2022年10月23日(日) 習近平・非社会主義政権3期目発足

 中国で16日から1週間に亙り開かれていた第20回共産党大会が昨日閉会となった。第1日目に習近平・国家主席が1時間45分もの政治報告で、習指導部が目指していた、ゆとりのある「小康社会」を実現し、歴史的な勝利を勝ち取った自画自賛した。5年前に掲げた「社会主義現代化強国」の実現に向け、重要な「中国式現代化」と言う考え方を強調し、欧米とは異なる制度や理念に基づくモデルを追及する考えを示した。この中国式現代化の目標として①共産党の1党指導体制の堅持、②質の高い発展、③「共同富裕(共に豊かになる社会)」の実現、などを訴えた。台湾問題については、外部からの干渉や台湾独立勢力に対しては武力行使の放棄を約束しないと強調した。外交面では、冷戦思考と内政干渉に反対との立場から、ウクライナ侵攻を機に団結する西側の方針に反論している。軍事面では、早期に世界一流の軍隊を築き上げて、国境、領海、領空防衛力の整備を進めると軍事体制の強化に言及した。

 そして昨日の最終日に習近平・国家主席の党の核心としての地位と、政治思想の指導的地位を固める「2つの確立」を盛り込んだ党規約の改正案を承認した。つまり習近平を毛沢東以来の強力な位置づけをしたわけである。その最大のものは、68歳以上の党役員は選ばれず、主席は2期10年との旧規約を改定して、69歳で2期目を終えた習主席が3度目の主席に就いたことである。ライバルだった李克強首相は67歳で旧規約に抵触していないにも関わらず、首相職から追放して習主席への権力を集中のうえ独裁化し、習独裁体制を固めることに成功した。但し、習グループによるポストの独占や収支の権力集中に対する不満は水面下で燻り続けている模様だ。

 そして今日昨日選出された中央委員による総会を開き、最高指導部の政治局常務委員を選出し、彼らによって習近平政権3期目を発足させた。これから向う5年間は、習政権による民主化と人権抑圧の政権運営が行われる。引き続き、国民の声は聞き入れられない。

 また、社会主義現代化強国とアピールしているが、中国の社会体制は、真の社会主義とは大きく乖離し万民平等は無視され、農村部の貧困は未解決のまま国民の底辺の声を汲み取ろうとの気持ちがないことは、中国国内に民主的で平等な選挙が今以て実施されないことにもはっきり見てとれる。習近平主席思想を小学教育で教えて習主席への尊敬を子どものころから無理強いして神格化することなどが、現代中国の目指す将来像であるとは、空恐ろしいことである。今後習近平政権は、益々傲慢になり我が物顔で国際社会において悪しき存在感を高めていくことだろう。国名も「習近平絶対覇権国」とでも変更した方が余程似合っているのではないだろうか。
 ところで、相変わらず戦闘中のウクライナで、ロシア軍がやや劣勢に陥る中で、昨日NHK「週間ワールドニュース」でロシア軍がウクライナにイラン製ドローンによる空爆を仕掛けたことに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領が、イランとロシアが「カミカゼ・ドローンにより攻撃した」と非難した。こんなところにも戦時中日本軍の神風特攻隊の名が使われているのかと少々驚いた。そのニュース画像の中に映されていたアメリカのABC画面にもドローン飛行画面テロップで‘Kamikaze drones terrorized KYIV’と表示されていたし、スペインのTVEにも‘Drone Kamikaze Iranies en Ucrania’と伝えていた。いずれもごく自然に「神風」の名を使っているようだが、残念ながらあまり好い意味では使われていないようだ。

2022年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com