5533.2022年10月14日(金) 理系第2東大設立の意図と方針

 噂では知っていたが、今日新聞に正式に発表された記事を読んで、これはどういうことだろかと疑問に思った。それは大学統合の一環とも言える、名門国立大学の東京工業大学と東京医科歯科大学が統合されるというニュースである。今日のHP「東工大ニュース」にも今日基本合意書を締結し、統合時期は2024年度中と告知されていた。いずれも天下に名高い名門大学で、入学試験も厳しい。これら名門大学が伝統に則って独自の行き方で研究し、優秀な卒業生を世に送り出すことに集中してはいけないのだろうか。受験生にとっては理系の東京工大は東大と1,2を争う優れた難関大学であり、東京医科歯科大も東大理3に次ぐ難関大学である。これらをこれまでの独自の歴史と伝統を捨ててまでどうして統合させなければならないのだろうか。

 そこには、政府が大学の国際競争力の強化を狙い、大規模な大学ファンドによって支援する制度を創設し、2024年度から年数百億円を配るそのややふざけた称号の「国際卓越研究大学」の公募を開始して、研究力を強化するために資金の提供を受けられる大学を作りたいとの考えのようだ。

 しかし、聞くところによれば、この他に文系の一橋大学と東京外国語大学もその候補に上がったが、両大学は置いてきぼりとなり地団駄を踏んでいるらしい。だが、アピール出来る研究力のない文系大学では、文部科学省の希望とは合致しない。それに新大学は理系ではあるが、所詮第2東大ではないだろうか。どうも文部科学省の考えには、全体的に事象を捉える視野が欠けているように思える。しかも、これとて多くの有識者が知恵を出し合って出した結論ではなく、当事者同士が納得のうえに出した答えでそれを文科省が支援するということだが、他の国立大学はどう思っているだろうか。

 さて、このところ外国為替市場では円安が昂進して、ついに昨日1ドルが147円台後半にまで下落し、1990年以来32年ぶりの円安相場になった。そのキッカケとなったのは、アメリカが発表した9月の消費者物価指数が、市場予想を上回る前年9月より8.2%も上昇したことによる。激しいインフレを抑えようとアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを続けるとの見方から金利が上昇し、金利の低い日本との金利差が広がることから円を売って金利の高いドルを買う動きが広がった。これに対して日本のみならず、ワシントンで開催中の主要7か国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議でアメリカの利上げを牽制した文言が共同声明に盛り込まれた。

 日本では、急速な円安が物価の高騰に拍車をかけている。アメリカ同様に昨日日銀が発表した9月の国内企業物価指数によれば、前年9月より9.7%も上昇し、1981年以降で2番目に大きな上昇となっている。従って、輸入物価に円安の影響は、今年初めは2割台だったが、今や5割超となった。ワシントンにいる鈴木俊一財務相は、いつもながらの「投機による過度な変動は容認出来ず、為替市場の動向を高い緊張感をもって注視していく」と前の為替介入直前と同じ決まりきった台詞を言うばかりで、直ぐには動く様子が見られない。結局日本の経済政策というのは、成り行き任せということだろうか。

 今日は♪汽笛一声 新橋を~♪と新橋駅から横浜駅へ向けて初めて列車が出発してから鉄道開業150年目に当る。奇しくも亡母の111歳の誕生日でもある。母は明治44(1911)年生まれで、1984年に他界してもう38年になる。戦時中は父の出征もあり、5人の子どもを抱えて戦中、戦後は苦労が絶えなかったろうと思う。生前はわがままばかり言っていたので、苦労をかけ、充分親孝行出来なかったことを申し訳なく思っている。弟妹からも静かにご冥福を祈ろうとのメールが届いた。その通り母のご冥福を祈るばかりである。 合掌

2022年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com