今朝またも北朝鮮が2発の弾道ミサイルを日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)外へ発射した。いくら日本政府が北朝鮮政府に抗議し、各国が国連安保理決議違反と非難しても、知らぬ存ぜぬを繰り返す北朝鮮のやり方には最早打つ手もない。昨日の国連安保理事会で欧米を中心に安保理事会決議違反であると北朝鮮を非難する声が相次いだが、ロシアはアメリカの北への対応が問題とし、中国も制裁は人道状況を悪化させるだけで効果はないと主張して北朝鮮への対応方針は示されなかった。北朝鮮も酷いが、この北朝鮮に同調するようなロシアと中国も事態を悪化させるだけである。相手国にお構いなしに自国のやり方で自らの存在感をアピールする傍若無人ぶりである。金正恩・朝鮮労働党総書記につける薬はないというより言いようがない。
ついては、当事国にとっては真剣だが、こんなややこしい話がある。先月ポーランド与党「法と正義」のカチンスキ党首がドイツに対して、第2次大戦中のナチス・ドイツの侵略に対する損害賠償として約183兆円の支払いを求めて交渉する方針を示した。ドイツ国民もびっくりしている。何とドイツの年間予算の約3倍の巨額である。ポーランドとドイツは隣国であり、それがナチ侵略にもつながることになったのだが、ドイツ政府としては受け入れられないという当然の反論である。歴史的にも1953年当時東ドイツに対してポーランドも、同じ東ヨーロッパ体制下にあったため、ソ連と一体となって賠償請求権を放棄すると声明した。その後90年ドイツ統一の際にドイツの国際法上の立場が確定し、戦後処理はすべて終わったとドイツはもちろん国際社会も理解している。日本もドイツと同様に国際的な視点から日韓請求権を持ち出されても、すでに日韓両国間では請求権は解決しており、韓国政府が妥結しているにも拘らずしばしば請求権を叫ぶが、日本が今更これをそのまま受け入れることはない。北朝鮮が時折日本に対して戦時賠償を口に出すことはあるが、これとて韓国との約束と同じで応じることはないだろう。弾道ミサイルの連射は、まさか腹いせのひとつではないと思っているが・・・。
戦争の都度終戦後の賠償が取り沙汰されるが、今ロシアがウクライナへ仕掛けた戦争が、終戦となった際にはいかなる賠償がいかなる形でロシアからウクライナへ支払われるのだろうか。戦争には平時では考えられないことが起きるものだ。
さて、3日に臨時国会が開会したが、安倍元首相の負の置き土産とも言える自民党議員と旧統一教会との釈然としない関係が後から後から明るみに出る。昨日の衆議院会議場では立憲民主党の泉委員長が、後ろを振り返りながら細田衆議院議長にいくつも質問を浴びせていたが、議長はまったく応じる様子がなかった。尤もこの質問については、自民党から非常識と批判が出たり、共産党からは野党が協調して問い詰める予定を無視したとか非難されている。細田議長は文書で回答すると応えたようだが、この議長も議長として旧統一教会との関係が闇のまま疑問に応えていない。今国会の問題点のひとつである、国会議員と旧統一教会との関係が明らかにされない以上国会も揉めるばかりだろう。