5623.2022年10月5日(水) 友人の講演と習近平党主席3期目

 先月セルビアから3年ぶりに一時帰国中の友人山崎洋さんと奥さんが、高輪のセルビア駐日大使館で、セルビアと日本との友好140周年を記念した特別イベントでセルビア人詩人の翻訳書出版について講演したので、ゼミの友人とともに出席した。

 冒頭に挨拶されたアレクサンドラ・コヴァチュ駐日大使は、山崎さんがベオグラード大学で日本語を教えていた時の教え子という奇縁で、その後奥さんも大使に日本語を教えたことがあり、山崎夫妻は恩師に当ると話された。大使は長身の女性で上手な日本語で挨拶され、山崎さんが話している時は、しきりに相づちを打っていた。山崎さんはその作品が第2の聖書とも呼ばれているペトロビッチ・ニェシュの「山の花環」について、また佳代子夫人はボスニア生まれのノーベル賞作家・イボ・アンドリッチの作品について語った。普段はあまり接することがないセルビアの作品だけに中々有意義なイベントだった。

 ついては、来る16日から始まる中国共産党大会で、かねがね噂されていたように国家主席である習近平・共産党総書記が、慣例を無視して3期目に就くことが確実視されているようだ。これで習主席の権力集中と独裁化が益々鮮明化して、集団指導体制は色あせたものとなる。本来最高幹部は68歳で引退という暗黙のルールがあり、現在69歳の習近平主席は次期最高幹部になる資格を喪失している。独裁者の常套手段は、ルールを無視して自らの都合の良いルールを採用することである。習近平主席は、毛沢東の終身体制につながった「党主席制」はさすがに見送ったようだ。文化大革命を招いた毛沢東への個人崇拝の反省から、毛以降鄧小平、江沢民、胡錦涛ら先代の国家指導者はそれぞれある時期に後進に道を譲っている。しかしながら、習近平はそれらの前例を無視しても主席の座に固執し続け、権力を行使しようとする強い意思である。そこには習主席には、この10年間で長年解決出来なかった多くの難題を克服した自信があるようだ。

 これで習近平主席、それに今世界中から非難されているロシアのプーチン大統領、更に国際世論を無視し続けて核実験を強行している北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記が揃って、世界の3悪人として権力の座に居座り続けることがほぼ確実となった。

 プーチン大統領は、2000年に大統領に就任して以来、ほぼ20年間に亙り権力を握り続けているが、その間に味わった甘い汁が忘れられず、今や2036年まで大統領の座に居続ける野望を抱いている。この挙句がウクライナ侵攻であり、世界中に恐怖と憎しみの種をまき散らしている。

 これら世界のワースト権力者3人が、国家・国民の利のためというより自らの私利私欲のために権力の座へ居座り続けようとしている。彼ら3人は、国家自体に社会主義、共産主義のスローガンである「民主福祉国家」「万民平等」などを掲げて、国のリーダーとして行動しているが、ロシア、中国、北朝鮮のお国柄は、まったく共産主義とか、社会主義とは乖離し、むしろ真逆のものである。国民は利己主義者のリーダーに飼いならされているが、このままあるべき姿の未来へ突き進むとは思えない。一日も早くまともな反体制組織が確立され、平和裏に国内が民主的に統一され、真っ当な国家として世界の民主国家と対等な友好関係が結ばれることを願って止まない。

2022年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com