5519.2022年9月30日(金) ロシアの乱暴な国盗り物語

 昨日までロシアが実施していたウクライナ東南部4州の住民投票の結果、ロシアへの帰属を認めるとの投票が約90%だったと言われ、今日ロシア政府はプーチン大統領がウクライナからそれら4州を併合すると宣言し、署名を行った。当然ウクライナはもとより、欧米諸国はこの住民投票を認めず、ロシアを激しく非難している。グテーレス国連事務総長も厳しく非難した。

 そもそもこのようにひとつの国家が他国領土の所属を左右したり、侵略・占領を一方的に宣言するような明らかに国際法に違反する住民投票は、ロシアが行う権利はなく、住民の自由と権利を無視して侵略的である。しかも、テレビ報道で観る限りその住民投票たるや、住民に強圧的な投票を強いて自国へ投票させようとする意図がミエミエである。投票箱にしてもガラス張りで丸見えであり、傍に付きそう怖そうなロシア派兵士の無言の圧力もあり、とても尋常な投票になるとは言えない。

 旧ソ連邦のひとつだった、カザフスタンのトカエフ大統領は、これまで比較的プーチン大統領寄りだと言われていたが、プーチン大統領の今回の手法に賛成しかねる姿勢を示した。ウクライナ侵攻以降、少しずつロシア国内及び旧ソ連邦周辺国の間でも、反プーチン的動きが表面化しつつあるが、この住民投票とロシア国内の予備役組み入れが、一層反プーチン感情に火を点ける懸念がある。

 さて、知人の軍事評論家・小川和久氏が新たに著書を出され、昨日贈っていただいた。これまでの軍事の専門書とは異なり、「『アマゾンおケイ』の肖像」と題して1903年に生を享け、2000年に97歳で往生された母上の波瀾万丈のほぼ20世紀に亙る生涯を400頁近くに亘って綴った生々しいドキュメントのようである。頁をめくったばかりだが、母上のご苦労が思いやられる。写真で見る限り、20世紀を逞しく生き抜かれた女性とは思えないほど、垢抜けた職業婦人らしく生活力のある女性だったようだ。そもそも熊本に生まれながら、13歳の時、叔父・叔母に付いてブラジルに移民として渡り、農園で働き21歳で故国日本へ帰り、その後は上海へ渡ったりアメリカ人との交流を通じながら多忙な生活を送られたようで、これから読むのが大いに楽しみである。

 小川氏とは10年ほど以前に偶々同じ高校の同窓生ということが分り交誼を始めるようになった。同じ高校とはいっても小川氏は、今では廃止された通信課程を卒業された。家庭の事情で中学卒業後自衛隊へ入隊され、数々の体験をされて高校卒業、大学を中退して、今ではNPO理事長、静岡県立大学特任教授として活躍されている。2015年の「南太平洋の剛腕投手」出版記念会にも出席していただいた。大変論理の明快な方で、人格的にも好感の持てる人柄でこれからも長くお付き合いを重ねていきたいと思っている。

 まだ読んでいないが、私の実家があった湘南鵠沼にご親戚か、どなたかの別荘があったとその写真も載っていたので、これからどんなストーリーになるのか興味津々で楽しみにしている。

2022年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com